研究課題/領域番号 |
19K09834
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
長阪 一憲 帝京大学, 医学部, 教授 (30624233)
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研究分担者 |
Kim SooHyeon 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (80709189)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | がん幹細胞 / 進行卵巣癌 / 腹膜播種 / 新規腹膜播種阻害剤 / 卵巣癌腹水 / 腫瘍微小環境 / 一細胞解析 / マイクロ流体デバイス / 3次元培養 / 癌幹細胞 / 共培養モデル / 卵巣癌 / 血管新生 / 単一細胞解析 / がん幹細胞ニッチ / 婦人科癌 |
研究開始時の研究の概要 |
婦人科では良・悪性診断、病期診断目的で細胞診が多く用いられるが、得られる情報は診断医が鏡検下で観察した上皮細胞の形態変化が主であり、病態を数値化することは難しい。本研究では、婦人科癌のliquid biopsy中に存在する癌細胞、少数しか存在しない癌幹細胞や、幹細胞の維持や分化の調整を行うとされる微小環境の構成細胞に対して、精度の高い一細胞解析技術を用いて、幹細胞ニッチの分子生物学的な解明を行い、「一細胞の解像度で細胞内外の情報を収集する」ことを目指す。 幹細胞ニッチに対し一細胞の解像度で解明することで、新規治療法の開発への応用ができる可能性がある。
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研究実績の概要 |
進行卵巣癌は腹膜播種を伴うことが多いが、腹水中や腹腔内の浮遊細胞がどのように血管新生を誘導し、腹膜播種として病巣を形成するのか詳細は不明である。そこで我々は、患者検体より卵巣癌由来スフェロイド細胞(OvCSC)を樹立し検討を行った。細胞接着および血管新生を誘導する因子を同定し、機能解析することを目的とした。進行卵巣癌患者の腹腔内より得られた浮遊細胞を収集し、OvCSCの樹立と安定培養化を行った。OvCSC の3次元培養(A)と2次元培養(B)の比較、およびOvCSCとヒト臍帯静脈内皮細胞(HUEhT-1)との共培養(C)前後の比較を、時系列(0時間、6時間、12時間)でのMicroarray解析で行った。それぞれの比較において有意に発現が上昇した遺伝子に対して、発現量をWestern Blot法で定量化し確認を行った。発現の上昇が認められたタンパク質について、蛍光免疫染色法により細胞内発現の変化を観察した。OvCSC の3次元培養と2次元培養の比較、およびOvCSCとヒト臍帯静脈内皮細胞(HUEhT-1)との共培養のMicroarray解析において、共に発現が上昇している遺伝子を抽出し、Western Blot法を用いて発現量を確認した結果、PALMDの発現上昇がみられた。また蛍光免疫染色法による発現量の比較においても、PALMDが主に細胞質に局在しており、3次元培養と比較し、2次元培養と血管内皮細胞との共培養後では有意に発現が上昇していた。細胞形態形成、細胞動態に関わるタンパク質であるPALMDが、進行卵巣癌の腹膜播種形成における細胞接着ないし血管内皮細胞との相互作用に関連性がある可能性を見出した。PALMDを標的とする新規腹膜播種阻害剤について更なる検討を行っている。
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