研究課題/領域番号 |
19K09842
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
遠藤 一平 金沢大学, 附属病院, 講師 (30547154)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 癌代謝 / オルガノイド / 頭頸部癌 / 甲状腺癌 / 化学療法 / PDX / ヘキソキナーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
近年の癌遺伝子研究は目覚ましい発展を遂げた。しかし頭頸部癌に関与する遺伝子変異は予想よりはるかに多く、病理学的に同じ腫瘍であっても遺伝子変異は異なることが明らかになった。ハイスループットなDNAシークエンサーの登場により癌遺伝子の変異は多様で複雑であることが判明したが、一方で癌特異的な代謝の経路は解糖系の亢進など共通であることが分かった。こうした事実から癌代謝の解明が精力的に行われている。 本研究は、癌特異的な代謝経路に着目し、頭頸部癌における癌代謝についてそのメカニズム解明と治療法の開発を目指す。
|
研究成果の概要 |
FDG-PETは、がん細胞におけるグルコース取り込みの増加を評価する画像診断法である。 41 人の甲状腺がん患者のサンプルを使用して、標準化された最大取り込み値 (SUVmax) をヘキソキナーゼ 2 (HK2)、GLUT1、VEGF、および GLS1 の発現率と比較し相関関係を認めた。また甲状腺癌由来のオルガノイドを確立し、組織学的特徴を患者の腫瘍と比較した。患者の腫瘍の SUV レベルは、甲状腺癌オルガノイドのグルコース消費および乳酸蓄積と相関が認められた。オルガノイドが元の腫瘍の代謝特性を継承し、がん細胞の代謝や代謝阻害剤のスクリーニングに役立つことを示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌における代謝研究、特に頭頸部癌においてはまだ報告が少ない。今回の研究では甲状腺癌において糖代謝HK2, GLUT1,VEGF, GLS1などの代謝酵素が関与していることが示唆され、今後のがん代謝研究のすそ野を広げることができる。また甲状腺癌のオルガノイドを樹立することができ、がん代謝研究においてオルガノイドを用いることで発癌メカニズムの解明、代謝経路の解明、さらに薬剤感受性試験の応用など今後の研究の幅が広がった。現在は、頭頸部扁平上皮癌においてオルガノイドの確立を行っており、頭頸部癌治療の新規治療の開発に結び付けたい。
|