研究課題/領域番号 |
19K09843
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
清水 志乃 滋賀医科大学, 医学部, 医員 (50505592)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | エクソソーム / 細胞外小胞 / 鼻腔洗浄液 / VEGF / 鼻茸線維芽細胞 / 好酸球性副鼻腔炎 / アルツハイマー病 / 好酸球 / 好酸球性鼻副鼻腔炎 / 慢性副鼻腔炎 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞外小胞は微小な膜小胞体で、様々な細胞から放出され、生体の恒常性維持や病態に関わっている。血液、尿、脳脊髄液のほかに、気管支肺胞洗浄液中でも検出されており、新しい細胞間情報伝達物質として、各種疾患の診断や治療への応用が研究されている。 本研究は、鼻腔洗浄液を用いて鼻粘膜における細胞外小胞の測定法を確立し、鼻副鼻腔疾患や中枢性疾患の診断・病態解明に利用するものである。鼻腔洗浄液の採取は、採血や気管支洗浄液・脳脊髄液採取に比べて、容易に低侵襲で行える利点がある。また、局所の炎症病態とともに、全身疾患やアルツハイマー病などの中枢疾患の評価につながる可能性がある。
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研究成果の概要 |
エクソソームを含む細胞外小胞は微小な膜小胞体で、様々な細胞から放出され、生体の恒常性維持や病態に関わっている。エクソソームは由来細胞の情報を含有し、細胞間あるいは組織間の情報伝達を担っている。本研究では、ヒト鼻腔洗浄液中からエクソソームを分離できること、そのエクソソームからプロテオーム解析に用いるために十分な蛋白が抽出できることを確認した。鼻腔洗浄液中のエクソソームを用いたリキッドバイオプシーが可能であることが確認できた。また、培養細胞を用いた検討では、新しい細胞間情報伝達物質として、エクソソームを含む細胞外小胞が好酸球性副鼻腔炎の組織リモデリングに関与することを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鼻腔洗浄液のエクソソームの回収方法とプロテ―オーム解析について初めての報告である。鼻腔洗浄液の採取は容易に低侵襲で行える利点があり、将来的に簡便で安価な診断法の開発につながる可能性がある。鼻腔洗浄液中の細胞外小胞の検出と解析は、血液検査ではとらえることのできない鼻副鼻腔局所病変の新しい評価法として役立つことが考えられる。嗅神経は脳神経で唯一外界に細胞が暴露されるため、鼻腔のエクソソームの解析によって中枢神経疾患の診断も可能となる可能性がある。また、難治性疾患である好酸球性鼻副鼻腔炎の病態とエクソソームの関係がさらに明らかとなれば治療のターゲットになり得る。
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