研究課題/領域番号 |
19K09850
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
黒野 祐一 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (80153427)
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研究分担者 |
宮下 圭一 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (30585063)
川畠 雅樹 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (30585112)
永野 広海 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (60613148)
大堀 純一郎 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (90507162)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ホスホリルコリン重合体 / 経鼻ワクチン / 粘膜免疫 / Th1/Th2型免疫応答 / 広域スペクトラム / 粘膜アジュバント / Th1/Th2型免疫応答 / アジュバント / 経鼻免疫 / アジュバント作用 / ハプテン作用 / IgE / 結合型ホスホリルコリン重合体 / 細菌接着性 / 結合型ホスホリルコリ重合体(R-MPC) / 結合型ホスホリルコリン / 粘膜ワクチン / PspA / P6 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、新規開発した結合型ホスホリルコリン(PC)重合体(Reactive MPC:R-MPC)の粘膜アジュバントとしての作用を検証し、これにこれまで我々が広域スペクトラム粘膜ワクチンとしての有用性を報告してきたPC-KLH、さらに東京大学医科学研究所と共同開発している肺炎球菌表面蛋白抗原(PspA)およびインフルエンザ菌外膜抗原(P6)を結合させ、安全性が高く、ヒトでの使用が可能な新たな広域スペクトラム粘膜ワクチンの開発を目指す。
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研究成果の概要 |
ホスホリルコリン(PC)重合体(R-MPC)には樹状細胞を介したアジュバント作用があり、卵白アルブミン(OVA)に対する粘膜免疫応答を増強し、その作用はR-MPCとOVAを結合するよりも混合するほうが強かった。また、R-MPCにも免疫原性があり、OVAと結合することでPC特異的免疫応答が増強された。しかし、OVA特異的IgEの産生増強はみられなかった。 これらの結果から、R-MPCには免疫原性とともにアジュバント作用があり、より広域スペクトラムを有する粘膜ワクチンそして粘膜アジュバントとしても応用が可能と考えられた。また、本製剤はⅠ型アレルギーを発症するリスクが少ないことも示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
R-MPCは分子量が約400の物質で、それ自体は免疫原性を持たない。しかし、OVAと結合することでOVAがキャリア蛋白、そしてR-MPCがハプテンとなって免疫原性を獲得することが示された。さらに、R-MPCがTLR4のリガンドとなって免疫応答を増強することから、TLRを介する粘膜アジュバントとして応用できると考えられた。 これらの研究成果から、R-MPCを細菌蛋白抗原と結合することでより多くの細菌感染に有効で血清型置換を起こすことがない広域スペクトラムワクチン、さらには臨床応用が可能な粘膜アジュバントの開発が進み、感染症の制御ならびに薬剤耐性対策推進の一助になると期待される。
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