研究課題/領域番号 |
19K09861
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
小鎌 直子 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん先進治療開発研究部, 主任研究員 (30390892)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | がん / S100A10 |
研究開始時の研究の概要 |
癌幹細胞(CSC)は、頭頚部癌の治療標的として期待されている。S100A10が頭頚部癌CSCの悪性形質に貢献している可能性を検証するため、本研究では、①CSCを誘導・活性化する分子基盤は何か?、②転移と浸潤における役割は何か?、③S100A10発現と予後の相関、④診断マーカーおよび治療標的としての妥当性、を検討する。本研究により、S100A10による頭頚部癌CSCの分子基盤を解明し、診断と治療に向けた研究を展開する。
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研究成果の概要 |
当研究者らは、頭頚部癌のがん幹細胞(CSC)に、S100A10が特異的に発現していることをプロテオミクス解析により突き止めたので、S100A10の癌悪性化への関与について、解明を試みた。その結果、in vitroではS100A10が細胞増殖能・遊走能・浸潤能を増加させ、癌幹細胞の特性の一部に関わっていることが明らかになった。また、in vivoでS100A10は、腫瘍増殖能を高め、造腫瘍の際には必須の分子であることが判明した。さらに、臨床検体を使用した免疫組織化学分析は、全生存率や疾患特異的生存率がS100A10low発現の患者と比較してS100A10high患者で有意に短く、予後と相関した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
頭頚部癌は特徴的なドライバー遺伝子がない。このため、上皮間葉転換(EMT)などが解析されてきたが、予想された進展は乏しく、ブレークスルーが期待されている。本研究の特色は、腫瘍転移と腫瘍浸潤の関係をS100A10という新しい切り口から解析し、そのメカニズムを明らかにする点にある。これまでほとんど手つかずであった分子による悪性形質を検証することにより、将来の分子標的治療の標的同定と診断に道を拓く可能性を秘めている。
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