研究課題/領域番号 |
19K09878
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
金子 富美恵 (平石 富美恵 / 金子富美恵) 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (40328414)
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研究分担者 |
河野 正充 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (20511570)
須納瀬 弘 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50261631)
保富 宗城 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (90336892)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ノイラミニダーゼ / 肺炎球菌 / 肺炎球菌ワクチン / 誤嚥性肺炎 / 鼻腔保菌 / ノイラミニダーゼA / 肺炎球菌菌血症 |
研究開始時の研究の概要 |
本邦の課題である健康寿命の延伸のため、高齢者における誤嚥性肺炎の予防・重症化機序を解明、現行の莢膜多糖体ワクチンの弱点を克服した新規ワクチン戦略への展開を目指す。本研究では、誤嚥性肺炎の重要な起因菌である肺炎球菌に共通する産生酵素蛋白で、細胞への菌付着に関与する酵素であるノイラミニダーゼA(neuraminidase A: NanA)に着目、誤嚥性肺炎の発症・重症化への関与とNanA阻害型ワクチンの予防効果を明らかにし、睡眠中の不顕性誤嚥にて鼻腔由来の肺炎球菌感染が肺炎に至る経過を模した高齢マウス誤嚥性肺炎モデル/慢性閉塞性肺疾患(COPD)合併誤嚥性肺炎モデルを確立する。
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研究成果の概要 |
本研究より,LPxTGモチーフを持たない遊離型NanAを欠損した肺炎球菌は,野生型と比較して鼻粘膜でのコロニー形成,非血行性中枢神経系への浸潤が抑制される一方、LPxTGモチーフを持つ膜アンカー型NanAを欠損した肺炎球菌は,誤嚥による肺への吸引後に生じた菌血症にて、野生型に比して菌量が増加することが明らかとなった。この結果は、NanAが膜アンカー型として残ることで他の病原性因子を負に制御している可能性があり、肺炎球菌のNanAを阻害するだけでは血管内に侵入した肺炎球菌の排除に有利ではないことを示唆している。 ワクチン戦略への組み込みには、他の病原性因子の影響も含めてさらなる検討が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、誤嚥性肺炎の予防と再発・重症化回避のため、起因菌である肺炎球菌の次世代ワクチンの開発を目的とし、肺炎球菌に共通する酵素であるノイラミニダーゼA(NanA)に着目してNanAによる肺炎球菌の感染動態をマウスモデルにて評価した。結果、遊離型NanAを欠損した肺炎球菌は,鼻粘膜での定着、中枢神経系への直接浸潤が抑制される一方、膜アンカー型NanAを欠損した肺炎球菌は,誤嚥により野生型よりも早期に敗血症を発症することが明らかとなった。この結果は、NanAが他の病原性因子を負に制御している可能性を示唆し、肺炎球菌NanAの ワクチン戦略への組み込みには、さらなる検討が必要であることを示した。
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