研究課題/領域番号 |
19K09923
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 東京大学 (2021) 国立研究開発法人国立がん研究センター (2019-2020) |
研究代表者 |
小林 謙也 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80648311)
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研究分担者 |
森 泰昌 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (00296708)
吉本 世一 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 科長 (00462242)
安藤 瑞生 岡山大学, 岡山大学, 教授 (60511467)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 頭頸部癌 / ゲノム解析 / 腫瘍内不均一性 / TP53 / 頭頸部扁平上皮癌 / ゲノム進化 / ゲノム / サブクローン進化 |
研究開始時の研究の概要 |
予後不良頭頸部扁平上皮癌の空間的・時間的な腫瘍内不均一性を二つの観点から解析する。 ①再発頭頸癌のゲノム・エピゲノム・トランスクリプトームにおける空間的・時間的不均一性の検討 根治治療後早期に再発を認めた65例の『初回切除標本』及び『再発病変(局所、頸部、遠隔)』から無作為に3箇所検体を採取し分子生物学的な解析を行い、時系列に比較検討する。 ②病理組織学的所見とゲノム・エピゲノム変化パターンの比較検討 切除断端陰性ながら局所再発をきたした25例における、『切除時の腫瘍本体』、『切除断端』、『再発腫瘍』の変異ステータスを解析し、病理組織所見と比較する。
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研究成果の概要 |
本研究は予後不良頭頸部扁平上皮癌の時間的な腫瘍内不均一性を解明することを目的とした。標準治療367例から抽出した局所頸部再発症63例の初回腫瘍及び再発腫瘍126のペア検体の遺伝子変異ステータスを次世代シークエンサーにて解析した。 再発した腫瘍のうち、22%でTP53に新たな変異が蓄積し、16%が元の変異を失っていた。TP53変異の蓄積は、口腔癌では咽頭癌や喉頭癌に比べて有意に高かった。再発後の2年生存率は、再発時のTP53ステータスと関連していたが、初期腫瘍のTP53ステータスとは関連していなかった。再発腫瘍のTP53ステータスは、多変量解析において独立した危険因子であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんの網羅的ゲノム解析により、がんのサブクローン進化とそれに伴う腫瘍内不均一性が明らかになってきた。頭頸部癌においても、腫瘍内不均一性の報告はあるが、十分には解明されていない。本研究では、頭頸部扁平上皮癌の初回および再発ペア検体の詳細なゲノム解析を施行した。再発頭頸部癌の約3分の1は、初期腫瘍と異なる変異ステータスを持ち、変異の蓄積の程度は原発部位により異なることが明らかとなった。また、再発時の遺伝子変異プロファイルが、その後の予後に強く関与することも示された。今回の結果により、頭頸部扁平上皮癌でも遺伝子変異プロファイルは腫瘍増殖より変化し、悪性度に関与することが示唆された。
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