研究課題/領域番号 |
19K09965
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
本庄 恵 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60399350)
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研究分担者 |
相原 一 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80222462)
木村 麗子 (山岸麗子) 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (80704642)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 緑内障 / 眼圧 / 房水 / 生理活性脂質 / 線維柱帯 / 前房水 |
研究開始時の研究の概要 |
緑内障には非常な高眼圧をきたす病態から、正常眼圧緑内障まで様々な病態があるにも関わらず、緑内障の最大の原因である眼圧上昇や変動の病態に関与する特異的な因子はいまだ明らかではない。申請者らは予備実験の結果、緑内障病型によって眼圧上昇の緑内障病態は異なっており、トリガー因子も異なる可能性が高いと推察している。本研究では眼内の生理活性因子として、生理活性脂質と産生酵素であるATX-LPA経路に注目することで、これまで明らかになっていなかった詳細な緑内障病態の解明、緑内障病型の新たなバイオマーカーとして有用であるかどうかの検討を行い、ひいては新規治療法の開発をめざす。
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研究成果の概要 |
我々は、線維化に関与するリゾフォスファチジン酸(LPA)と産生酵素オートタキシン(ATX)に着目し、緑内障眼でLPA、ATXが有意に上昇、特に非常な眼圧高値を示す続発緑内障(SOAG)や落屑症候群(XFG)で高値、眼圧と有意な相関を示すことを見出した。そこからさらに各緑内障病型におけるTGFβ2とATXのバランスを比較検討し、ATX-TGFβ2バランスが緑内障病型診断に有用であることを明らかにした。 続発緑内障のなかでも難治性緑内障をきたしやすいサイトメガロウイルス(CMV)陽性症例ポスナーシュロスマン症候群(PSS)で有意にATX高値、眼圧上昇と相関を認めたことを報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
緑内障眼での眼圧上昇は主流出路流出抵抗増大によるとされ、隅角線維柱帯(TM)の線維化、細胞外マトリックス(ECM)の異常沈着、バリア機能亢進等に房水中の生理活性物質の関与が指摘されている。特にTGFβ2は開放隅角緑内障(POAG)での房水中高値が報告されているが、非常な眼圧高値を示す続発緑内障(SOAG)や落屑症候群(XFG)では低値であり、これらの病型で眼圧上昇に関わる因子は不明であった。各緑内障病型における眼圧上昇機序の詳細が判明すれば、予後予測、新しい治療開発などの可能性が期待できると考えられた。
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