研究課題/領域番号 |
19K09983
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
小泉 範子 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (20373087)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | フックス角膜内皮ジストロフィ / 薬物治療 / mTORシグナル / ラパマイシン / 創薬 / mTOR |
研究開始時の研究の概要 |
フックス角膜内皮ジストロフィ(FECD)は角膜の透明性維持に不可欠な角膜内皮細胞が障害される疾患であり、進行すると重症の視力障害を生じる。申請者はこれまでにFECD患者の角膜内皮を用いたcell-basedの薬物スクリーニング系を構築し、FDA承認薬ライブラリーを用いたスクリーニングを実施、mTOR阻害剤であるrapamycin がFECD患者の角膜内皮細胞死を抑制することを発見した。本研究では、FECDの病態におけるmTORシグナルの活性化の意義を明らかにする。本研究の成果により、FECDの病態解明および将来的なFECDに対する点眼治療薬の開発に役立つことが期待される。
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研究成果の概要 |
フックス角膜内皮ジストロフィ(FECD)は角膜内皮細胞の進行性の障害により、重症の視力障害を生じる疾患であるが、原因不明で角膜移植以外に治療法がない。我々は疾患モデル細胞を用いた薬剤スクリーニングにより、mTOR阻害剤であるrapamycin がFECD患者の角膜内皮細胞死を抑制することを発見した。本研究ではmTORシグナルの阻害がFECDにおける角膜内皮細胞死と細胞外マトリックス過剰産生を抑制する作用機序を、疾患モデル細胞および患者角膜組織を用いた研究により明らかにした。また、mTORノックアウトの作成に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
FECDの病態の詳細は不明であり薬物療法は存在せず、現在の治療法は角膜移植のみである。本研究はFECDの病態におけるmTORシグナルの関与の解明につながるものであり、mTORシグナルがFECDにおける角膜内皮障害の治療ターゲットとなる可能性を示した。角膜移植に代わる保存的治療薬の開発は、患者の身体的・経済的負担を軽減するのみならず、医療費削減、ドナー角膜の有効利用にもつながるものであり、社会福祉に貢献する極めて重要性の高い研究である。
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