研究課題/領域番号 |
19K10000
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小島 隆司 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (90407099)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | Nrf2 / 酸化ストレス / 角膜神経 / ドライアイ / TRPV1 / 角膜 / 不安行動 / 神経障害 / TRPA1 / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
野生型マウス及びNrf2ノックアウトマウスを用いて生体共焦点顕微鏡により経時的に角膜上皮下神経叢の変化を捉える。角膜の侵害受容体として存在するTransient Receptor Potential (TRP)チャンネルの一つであるTRPV1およびTRPA1が角膜知覚神経に存在する。本研究ではTRP受容体の発現の変化を調査する。ドライアイによる行動異常として、うつ症状はこれまでにヒトで報告されているが、マウスにおける角膜痛覚検査及び行動解析で不安症状を評価し、角膜痛覚、角膜神経の形態学的及びTRP受容体を含めた分子生物学的変化との関係を調査する予定である。
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研究成果の概要 |
Nrf2ノックアウトマウスでは、環境ストレス負荷後に涙液分泌減少、角膜神経障害を認め、角膜の痛み受容体(TRPV1)の易刺激性を獲得することが示された。また、Nrf2ノックアウトマウスでは環境ストレス負荷後は鬱状態を呈することが示された。Nrf2は、角膜の酸化ストレスを低減し、角膜における炎症細胞浸潤を抑制する事により、ドライアイ発症及びその痛みによって引き起こされる鬱症状を予防しているキーファクターであることが示唆され、オフィスワーカーのドライアイの病態の一端が解明された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オフィスワーカーのドライアイは、有病率が65%と高く、労働生産性の低下が報告されている。今回我々が用いた環境ストレス負荷モデルは、オフィスワーカーのVDT作業によるストレスを模した動物モデルである。このモデルを用いて、Nrf2がドライアイ発症に大きな役割を来していることを示せたことは、今後のドライアイの治療戦略、研究の方向性に大きな変化を及ぼすことが考えられる。最終的に治療に結びつくことによって、ドライアイで悩む患者が減り、労働生産性やオフィスワーカーのQOL向上に結びつくことが期待される。
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