研究課題/領域番号 |
19K10002
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
|
研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
奥 英弘 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (90177163)
|
研究分担者 |
小嶌 祥太 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (10388259)
池田 恒彦 大阪医科薬科大学, 医学部, 名誉教授 (70222891)
喜田 照代 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (90610105)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | タウオパチー / 視神経傷害 / オートファジー / 網膜神経節細胞 / P62 / タウ蛋白 / tauopathy / autophagy / ノックダウン / siRNA / mTOR / short interfering RNA |
研究開始時の研究の概要 |
tauに代表される異常タンパクは、小胞体とautophagyを介し消去される。視神経傷害時には、網膜神経節細胞(RGC)で小胞体ストレスが生じている。またtauタンパクが蓄積し、tauをknockdownすると神経保護的に作用することから、tauopathy が生じている可能性が高い。mTOR kinaseは、タンパク合成を促進する一方で、autophagyを抑制し、タンパクの同化と異化を制御する中枢として機能している。mTOR系を介したアプローチは、tauをはじめとする異常たんぱくの蓄積を軽減し、神経保護的に作用する可能性が高く、様々な視神経疾患で保護的に作用する可能性が高いと考えられる。
|
研究成果の概要 |
視神経傷害でタウオパチーが網膜神経節細胞死に関与している可能性を検討した。ラット視神経挫滅モデルを用いた。siRNAでtau遺伝子をknockdownし、RGCに対して神経保護的に作用しているか検討した。リン酸化tau、P62、LC3Bの発現変化はimmunoblotと免疫組織化学的に検討した。網膜ではP62がcontrolの3.1倍に増加しており、LC3B2/LC3B1比の減少が認められた。リン酸化tau は2.1倍に増加しており、tauをknockdownした群では、1.3倍の増加にとどまった。tauの蓄積が病理的に有意な作用を持っており、視神経傷害にタウオパチーの関与が明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
tauは中枢神経系の軸索機能維持に必須のタンパクであるが、軸索が傷害されるとリン酸化され重合し、不溶性タンパクとなり神経細胞体に蓄積される特徴を持つ。tauの蓄積から生じる神経変性はタウオパチーと総称されるが、一般には中枢神経系の慢性変性疾患との関連が示唆されている。視神経は網膜神経節細胞の軸索の集合体であるが、緑内障視神経症による網膜神経節細胞死に、tauの蓄積が関与していることが示されていた。本研究の結果、急性の視神経傷害にもタウオパチーが関与していることを示している。様々な視神経疾患を、タウオパチーの関連から研究する必要性が示唆された。
|