研究課題/領域番号 |
19K10042
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
寺山 隆司 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (60333689)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 痛覚異常 / 神経損傷 / 収斂投射 / ミクログリア / 三叉神経知覚核群 / 脊髄 / 抑制性介在ニューロン / 脊髄後角 / 脳・神経 / 細胞・組織 / 歯学 / シグナル伝達 / 疼痛 |
研究開始時の研究の概要 |
神経障害性疼痛は、長期的かつ難治性の痛覚異常であり、現在までのところ効果的な治療法は確立されていない。本研究では口腔・顔面領域の神経障害性疼痛におけるグリア細胞の役割、特に抑制性介在ニューロンに対する役割を明らかにすることを目的とし、神経障害性疼痛の発症や持続期における中枢神経系での神経栄養因子やケモカイン類の発現変化およびそれらの抑制性介在ニューロンに対する作用を分析、検討する。抑制性介在ニューロンに対するグリア細胞の作用という新しい視点から神経障害性疼痛にアプローチする本研究により、神経障害性疼痛の効果的な治療法につながる新しい知見が得られることが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では末梢神経を損傷した後に損傷を受けた神経の中枢投射部位でのグリア細胞の活性化やニューロンの興奮性の変化するのかについて検討するとともにそれらの変化に関与する機構について検討した。神経損傷によって、損傷を受けた神経が接続する中枢の各部位でミクログリアとアストログリアの活性化がそれぞれ異なる時間経過で起こっていること、侵害刺激を与える部位を支配する神経あるいはその周囲を支配する神経を損傷した場合に侵害刺激に対する中枢投射部位でのニューロンの興奮性にそれぞれ異なる変化が起こること、またこのような変化には2次ニューロンへの収斂投射が関与していることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外傷や手術などで末梢神経を損傷した後に、痛覚異常が長期間持続する場合があるが、本研究はその病態の発症や持続に損傷を受けた神経だけでなくその神経が接続する脊髄や脳幹などの中枢神経系での変化も関わっていることを示すものである。その中枢神経系における変化では感覚情報を伝達するニューロンだけでなくその周囲に存在するグリア細胞での変化も生じ、さらにニューロンとグリア細胞のネットワークによる相互作用も関与していることを本研究では検討してきた。今後このような研究成果が蓄積されていくことで難治性疼痛の原因究明や治療法の確立につながることが期待できる。
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