研究課題/領域番号 |
19K10045
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
根本 孝幸 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (90164665)
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研究分担者 |
小早川 健 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 技術職員 (10153587)
根本 優子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (10164667)
佐々木 実 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (40187133)
下山 佑 岩手医科大学, 歯学部, 准教授 (90453331)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ジペプチド / ジペプチジルペプチダーゼ / 歯周病菌 / 糖尿病 / トランスポーター / ジププチド / 歯周病 / ペプチダーゼ / DPP7 / DPP4 / ジペプチジルペプチダーぜ / アミノ酸トランスポーター / ペプチドトランスポーター / 2型糖尿病 / 口腔細菌 / N末修飾 / ジペプチダーゼ / タンパク分解 / アミノ酸 / セリンペプチダーゼ / システインペプチダーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
う蝕と歯周病は口腔の二大疾患ですが、う蝕を引き起こす細菌とは対照的に、歯周病を引き起こす歯周病菌は、糖質を利用できず、もっぱら細胞外タンパク質を栄養源としています。我々はこれまでにタンパク質を末端から2つずつ切断するタンパク質分解酵素群が歯周病菌のタンパク質分解の最終段階にあることを見いだしてきました。さらに予備的な研究結果から、上記とは異なるファミリーに属するタンパク質分解酵素の存在も示唆されたので、これを同定するとのが本計画の中心課題です。同時にペプチドの取り込み機構も検討します。これらの結果に基づき、歯周病菌をいわば兵糧攻めすることで、歯周病の予防、治療の道を開きたいと思っています。
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研究成果の概要 |
歯周病菌ジペプチジルペプチダーゼ(DPP)7がインクレチン類ペプチドのAla2-Glu3結合を効率よく分解することを発見した。従来DPP7はAla2-Xaa3結合を分解するとされていたが、実際にはDPP4やDPP5の数%の活性しかなく、その矛盾が説明できなかった。我々は合成基質と違い、実際のペプチドはC末側にもペプチド鎖があることが原因だと仮定し、C末側にもペプチド鎖を有する基質を合成した。その結果、DPP7はHis-Ala-MCAには活性はないが、HAED-MCAには高い活性を示した。今後プロテアーゼ研究に頻繁に用いられる蛍光基質の使用にあたっては十分な注意が必要であろう。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトには存在せず、歯周病菌が発現するDPP7が効率よくヒトインクレチンを分解不活化することを発見した。その基質特異性に関して検討し、切断部位のC末側が活性に重要であることを示した。これらの結果は、2つの点で重要である。その第1は、歯周病と2型糖尿病をつなぐ直接の因子がDPP7である可能性である。DPP7はヒトには存在しないのでその阻害剤が、2型糖尿病の治療薬になりうる。第2は、従来ほとんど蛍光基質を用いて研究されきたプロテアーゼの酵素化学的な性質が、実際のペプチドを分解する際の性質と違っているという可能性である。今後ペプチダーゼを臨床や応用に用いる場合に十分に考慮する必要がある。
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