研究課題/領域番号 |
19K10051
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
|
研究機関 | 明海大学 (2020-2022) 朝日大学 (2019) |
研究代表者 |
佐藤 慶太郎 明海大学, 歯学部, 准教授 (10549041)
|
研究分担者 |
大内 基司 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (20409155)
設楽 彰子 朝日大学, 歯学部, 准教授 (30508718)
大野 雄太 朝日大学, 歯学部, 講師 (30796644)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | アミラーゼ / 脂質ラフト / 耳下腺 / 膵外分泌腺 / 腺房細胞 / 開口放出 / 脂肪酸輸送体 / CD36 / MARCKS / 外分泌 / 腺房 / タンパク分泌 / PKC / SNARE |
研究開始時の研究の概要 |
外分泌腺細胞の働きの一つに開口分泌がある。しかし、異なる外分泌腺との間で共通する仕組みに不明な点が残っている。実際、アミラーゼを分泌する耳下腺と膵臓において、共通性は分かっていない。このことは、例えば膵臓、唾液腺、涙腺など複数の臓器にわたり分泌障害を起こす難病の原因究明を難しくしている。 本研究では、耳下腺と膵臓のアミラーゼ分泌の間に、MARCKSタンパク質を通じてどのような仕組みが共通するのか解明する。本研究成果は、両腺のアミラーゼ分泌に共通する仕組みの重要な土台となる。さらに、唾液および膵液分泌障害の難病克服に対する基礎的な情報として、国民の健康増進に大きく貢献することが期待される。
|
研究成果の概要 |
本研究から以下の成果を得た。 1) 耳下腺や膵外分泌腺におけるアミラーゼ分泌刺激によるカルシウムを主体とする細胞内シグナルは、共通してMARCKSタンパク質のリン酸化を引き起こすことが考えられた。2)MARCKSタンパク質の脂質ラフトからの離脱は、脂質ラフト自体の機能を変えることはなく、何らかの機能分子を調節していることが示唆された。3)耳下腺では脂肪酸輸送体の一つのCD36が発現し、細胞内に脂肪酸を取り込んで、脂質ラフトの形成等の役割を担っている可能性が考えられた。4)耳下腺において、MARCKSタンパク質の発現と調節を担う脂質ラフトは、腺房部と導管部で異なる構成成分であることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MARCKSタンパク質については、これまで主に気道上皮の培養細胞を用いたムチン分泌研究で成果が挙がっている。一方、実験動物などを用いた生体に近いレベルの研究はあまり進んでいない。一方、代表者らは耳下腺および膵臓のMARCKSタンパク質のリン酸化がアミラーゼ分泌に関与することを示した。本研究では、これら二つの外分泌腺の解析を並行して進め、両臓器のアミラーゼ分泌メカニズムの共通性を検出することができた。外分泌という生命現象を二つの臓器間で俯瞰する多面的な本研究の成果は、外分泌障害を呈する難病(例えばIgG4関連疾患)の克服の可能性を高めるものになると考えられる。
|