研究課題/領域番号 |
19K10055
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
坂井 詠子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10176612)
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研究分担者 |
筑波 隆幸 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (30264055)
山口 優 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (50823308)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 破骨細胞 / 骨吸収 / オートファジー / 酸化ストレス / Rufy4 / Rab7 / RUN / FYVE / リソソーム / タンパク分解 / カテプシンK / LAMP1 / カテプシンD / 波状縁 |
研究開始時の研究の概要 |
破骨細胞は骨を溶かす細胞であり、過剰な骨吸収は骨粗鬆症の原因である。これまで研究代表者は、酸化ストレス応答系である Keap1-Nrf2 システムが破骨細胞分化に重要な役割を持つことを明らかにしてきた。最近我々は、Nrf2遺伝子欠損細胞において、高い発現を示す新規オートファジー制御因子を同定し、その遺伝子ノックダウン破骨細胞では、骨吸収能が低下することを発見した。本研究では、本遺伝子ノックダウン細胞や過剰発現細胞を作製し、骨吸収に対する機能の解明と、その細胞内局在、結合タンパク質の同定を行う。遺伝子欠損マウスを作出し、分子レベルと個体レベルで機能を解明する。
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研究成果の概要 |
新規オートファジー制御因子Rufy4の破骨細胞分化と骨吸収に対する役割を解明するため、Rufy4遺伝子ノックダウンおよび過剰発現細胞を用いて解析を行った。siRNAによりRufy4遺伝子発現を抑制しても破骨細胞形成に異常はなかったが、骨吸収は顕著に抑制された。逆にRufy4野生型遺伝子の過剰発現細胞では破骨細胞形成に異常はなかったが骨吸収は促進した。RUNドメイン欠失遺伝子過剰発現では破骨細胞形成が促進されたが骨吸収は減少した。以上の結果はRab7と相互作用するRUNドメインを介してRufy4が骨吸収の調節を担っていることを示唆しており、本研究によってRufy4の新たな役割が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によってRufy4がオートファジー制御因子としての機能のみならず破骨細胞分化と骨吸収においても重要な役割を持つことが明らかになった。学術的には、RUNドメインの欠失体過剰発現細胞でosteomorph様構造が多数観察され、破骨細胞のfissionやfusionに対するRUNドメインの重要性が示唆された。今回の成果を基にしたRufy4のRUNドメインによる新たな破骨細胞分化制御機構の更なる解明が期待される。社会的には、特にRufy4のRUNドメイン構造が骨吸収活性を制御しているという知見は、骨粗鬆症や関節炎リウマチなどの硬組織疾患に対する創薬を考える上で有意義な情報であると思われる。
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