研究課題/領域番号 |
19K10061
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
中山 希世美 昭和大学, 歯学部, 講師 (00433798)
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研究分担者 |
井上 富雄 昭和大学, 歯学部, 教授 (70184760)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | Phox2B / 咀嚼 / 顎運動 / チャネルロドプシン / 孤束核 / 咀嚼運動 / Phox2b / 神経回路 / 脳幹 / 三叉神経上核 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトが生きていくためのエネルギーを摂取するため、咀嚼運動は非常に重要な役割を果たしている。また、咀嚼運動は脳の血流の上昇による神経活動の上昇をもたらすことから、子供の知育を助け高齢者の認知症予防に繋がると考えられている。咀嚼運動時の顎の動きは、脳幹に存在するリズムジェネレーターと呼ばれる神経回路でつくられることが知られている。この神経回路の構成について知ることは、脳血管疾患の後遺症や神経変性疾患等による運動障害性咀嚼障害を根本的に改善するために重要である。本研究では、このリズムジェネレーターの構成要素である神経細胞の局在や性質、入出力を光遺伝学の手法を用いて明らかにする。
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研究成果の概要 |
咀嚼運動はヒトが効率良くエネルギー摂取をするために重要な運動であるが、その神経回路の理解は遅れている。本研究では、脳幹内の延髄孤束核において、転写調節因子であるPhox2B遺伝子を発現するニューロンが、リズミカルな顎運動の形成に重要な役割を果たす事を明らかにした。このューロンは、三叉神経上核、中間網様核および後巨細胞性傍核に豊富な出力を送るが、これらの中で、中間網様核および後巨細胞性傍核への出力が、リズムの形成に関与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
咀嚼運動はヒトが生きていくためのエネルギーを食物から効率良く摂取するためにも、脳の活性化を促し健康寿命を延ばすためにも重要な運動である。本研究では、Phox2Bという遺伝子を発現するニューロンの活動を、光遺伝学の技術を用いてコントロールし、咀嚼のリズムジェネレーターを構成する神経回路の一部を明らかにした。この方法は、咀嚼の神経回路の解明に貢献する新たな技術であり、今後、神経回路の解明が飛躍的に進む事が期待される。その結果、高齢者の運動性咀嚼障害の改善のための基礎的知識を得て、健康長寿の実現に貢献することが出来ると考える。
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