研究課題/領域番号 |
19K10067
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
黒石 智誠 東北大学, 歯学研究科, 講師 (30400261)
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研究分担者 |
菅原 俊二 東北大学, 歯学研究科, 教授 (10241639)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 金属アレルギー / 舌下免疫療法 |
研究開始時の研究の概要 |
金属製品から溶出した金属イオンは、生体に対して金属アレルギーを引き起こす。現在、標準的な金属アレルギー治療は原因金属の除去などの対処療法であり、より根本的な治療法が望まれている。 舌下免疫療法は舌下にアレルギー原因物質(アレルゲン)を投与し、アレルゲンに対する免疫反応を弱めること(免疫寛容の誘導)により、アレルギーの根治を可能にする治療法である。 本研究では、マウスモデルを用いて、舌下免疫療法によるニッケルアレルギー治療効果を解析する。特に、研究代表者らが見出した新規ニッケル結合タンパク質を応用し、その治療効果向上を図る。そして、舌下免疫療法による金属アレルギー治療の科学的基盤の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
金属から溶出した金属イオンは金属アレルギーを引き起こす。ニッケル(Ni)は主要な金属アレルゲンの一つである。舌下免疫療法は、舌下粘膜からアレルゲンを吸収させることにより免疫寛容を誘導するアレルギー治療法である。本研究では、舌下免疫療法によるNiアレルギーの治療効果を検討した。 その結果、Ni結合タンパク質であるCXCL4とNiを用いた舌下免疫療法は、Niに対する免疫寛容を効率的に誘導した。さらに、ビタミンD誘導体は舌下免疫療法の治療効果を増強した。以上の結果から、金属イオン結合タンパク質とビタミンD誘導体を用いた舌下免疫療法が、金属アレルギーの有効な治療法であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、金属アレルギーの標準的な治療法は原因金属の除去である。ステロイド外用剤や抗炎症剤なども用いられるが、いずれも対症療法である。これに対して、舌下免疫療法はアレルゲン特異的な免疫寛容を誘導するより根本的な治療法である。 本研究の特色は「金属イオン結合タンパク質とビタミンD誘導体の併用」であり、これにより、舌下免疫療法による金属アレルギーの治療効果を増強した。これらの知見は、金属アレルギーの根治を目指す新たな治療法の開発にとって非常に重要であると考える。
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