研究課題/領域番号 |
19K10080
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
倉田 俊一 神奈川歯科大学, 歯学部, 特任教授 (60140901)
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研究分担者 |
加藤 伊陽子 神奈川歯科大学, 歯学部, 特任教授 (20333297)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 頭頸部扁平上皮癌 / TP63 / 扁平上皮癌 / 悪性転化 / クロマチン / p63 / 頭頚部癌 |
研究開始時の研究の概要 |
頭頸部扁平上皮癌の悪性化機構を明らかにするため、p63の実験系を基盤に、ゲノムワイドなクロマチンの構造変換と、表皮細胞分化に関係する遺伝子発現の変化を関連づける。 1.p63は頭頸部癌で分化型維持に作用する核内制御因子と考え、高分化型の癌細胞株がp63を失うことによって起こる、ヒストン修飾およびDNAメチル化の変化をゲノム配列上にマップする。 2.異なるステージの癌細胞株でのヒストン修飾とDNAメチル化の差異をゲノム上にマップする。加えて遺伝子発現プロファイルを解析して、クロマチン構造変化と対応させる。 3.悪性度の異なる癌組織からなる組織アレイ(匿名化)において上記の実験結果を検証する。
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研究成果の概要 |
頭頸部(口腔・咽頭・喉頭)癌の浸潤癌への進行の機構を知るために、表皮細胞分化に不可欠とされる遺伝子TP63を標的に癌の培養細胞でゲノム編集を行った。多数の遺伝子で大幅な発現上昇または低下の変化が起こり、癌の進行で見られる上皮間葉転換の現象に類似していた。DNAメチル化・脱メチル化が選択的に遺伝子領域で起こっており、クロマチン・リモデリングよる遺伝子発現の調節と考えられた。エピゲノム調節を介して浸潤癌への進行が起こることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では頭頸部扁平上皮癌の細胞株を実験系とし、高分化型の癌が浸潤癌に進行する過程で起こる核内の変化を解析した。得られた結果は、DNAメチル化・脱メチル化を中心とするクロマチン・リモデリングによって、遺伝子発現プロファイルが大きく変化し、上皮間葉転換(浸潤能獲得)が起こることを示唆した。癌の悪性転化を理解するには、個々の遺伝子の変異に加えて、ゲノムワイドなクロマチン構造の変化とそれが起こる機構を解析することが重要と思われる。
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