研究課題/領域番号 |
19K10084
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
坂本 啓 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (00302886)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 口腔がん / AI / 組織診断 / 口腔 / 上皮性異形成 / 白板症 / 癌 / 口腔前癌病変 / ディープラーニング |
研究開始時の研究の概要 |
口腔の前癌病変の生検は、癌の有無と癌化のリスクを評価する重要な検査である。その判定は組織・細胞形態の変化の評価に基づくが、主観的判断が大きく関与し、診断者による ばらつきがある。前癌病変の診断の客観化と、癌化リスクの評価精度の向上は、よりよいEBM(evidence-based medicine)の実践のために重要な課題である。本研究では、500症例の口腔前癌病変の生検材料を用いて、免疫組織学的マーカーの二重蛍光染色組織をディープラーニングを用いて画像解析し、癌化の可能性を示唆する異常所見を抽出しスコア化する人工知能(AI)診断システムを構築する。
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研究成果の概要 |
口腔がんの多くは前がん病変が進展して発生する。前がん病変の確定診断は病理検査でなされ、癌化のリスクはグレード化して判定される。しかし定量的な基準がないことから、その判断は診断者によるばらつきが大きい。そこで、口腔がんと前がん病変の病理組織像をAIを用いて解析し、口腔病理診断への応用の可能性を検討した。AI予想をもとに作成したヒートマップをみて下した診断と、実際の組織像をみて診断した結果のおよそ9割が一致した。ヒートマップの解釈は病理組織の知識を要せず、口腔前がん病変の病理検査の標準化に有効であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔がん・前がん病変は顕微鏡観察により、組織学的形態の変化を評価して診断される。しかし、その判定はかなり主観的要素が占める割合が多く、判定者間の不一致もみられる。いくつかの評価項目についての評点を加算してスコア化する、判定量的な判定法も提唱されているが、やはり再現性は十分でなかった。今回の手法ではAIを用いた画像解析により組織の異型性をヒートマップとしてほぼ正確に変換することができた。ヒートマップから診断や治療方針を導きだすことは、組織学的な知識がなくても容易であった。数値として出力される臨床検査結果と同様の簡便さを備えて利用できる有用な技法と考えられた。
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