研究課題/領域番号 |
19K10128
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 神戸常盤大学短期大学部 (2021) 岡山大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
山城 圭介 神戸常盤大学短期大学部, 口腔保健学科, 教授 (30581087)
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研究分担者 |
青柳 浩明 岡山大学, 歯学部, 客員研究員 (10814501)
宝田 剛志 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (30377428)
西堀 正洋 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 特命教授 (50135943)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 歯周病 / 炎症 / 低栄養 / 創傷治癒 / HMGB1 / マクロファージ / 幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は以下である。 1.低栄養時の慢性炎症は,HMGB1 の分泌が継続するために遷延化するのでは? 2.低栄養時の創傷治癒は,HMGB1 分泌量が初期炎症には不十分であり,またその後も分泌が継続するために遅延するのでは? これらの仮説を検証するために,歯周炎モデルマウスを用いた低栄養時の慢性炎症遷延化のメカニズム解析,および抜歯モデルマウスを用いた低栄養時の創傷治癒遅延のメカニズム解析を行う。
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研究成果の概要 |
本邦では平均寿命と健康寿命の乖離が問題となっている。この乖離は高齢者の骨折や生活習慣病などの疾病により生じる。これらの疾病がさらに悪化する原因の一つとして低栄養が挙げられる。本研究では低栄養時に炎症が遷延化する原因の一つとして,炎症メディエーターであるHMGB1が関与していると仮説を立てた。低栄養モデルマウスを抜歯し,創傷治癒過程を観察したところ,コントロール群と比較して,低栄養群では炎症に関わる因子(HMGB1およびIL-1β)発現増加,再生や間葉系幹細胞に関わる因子の発現低下が見られた。これらのことから低栄養状態ではHMGB1を介した創傷治癒遅延が起こっていることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢者の低栄養はQOL向上の点からも大変重要な課題である。低栄養になると,傷が治癒しにくくなったり,すでに抱えている慢性疾患が悪化したりすることが考えられる。我々はHMGB1という因子が炎症を悪化させるだけでなく,傷が治る際にも重要な働きをすることを明らかとしてきた。本研究において,低栄養時のHMGB1の働きの一部が解明された。今後はHMGB1を検査に用いたり,また低栄養の患者に対して適切な栄養補助を行う際の指標になりうると考えられる。
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