研究課題/領域番号 |
19K10143
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
多田 浩之 東北大学, 歯学研究科, 講師 (70431632)
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研究分担者 |
西岡 貴志 東北大学, 歯学研究科, 講師 (50641875)
松下 健二 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 口腔疾患研究部, 部長 (90253898)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 慢性歯周炎 / 歯周病原細菌 / Porphyromonas gingivalis / Fusobacterium nucleatum / 細胞外トラップ / 歯肉上皮バリア破綻 / 好中球 / マスト細胞 / 好中球細胞外トラップ / 口腔粘膜バリア破綻 / バリア破綻 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性歯周炎において、歯周病原細菌により誘導される慢性炎症は歯周組織を破壊する主体となることから、歯周病における慢性炎症の病態解明は大きな意義を持つ。本研究は、歯周病原細菌の感染により好中球が産生する好中球細胞外トラップ(NETs)が、口腔粘膜のバリア機能を低下させ慢性炎症を誘導することを検討する。慢性歯周炎に慢性炎症が誘導される要因として、歯周ポケットにおける歯周病原細菌の慢性感染と好中球の多量な集積が挙げられる。よって、慢性歯周炎の歯周ポケットでは恒常的に好中球がNETsを産生していることが推察されることから、本研究では歯周病の慢性炎症の制御を目指した予防・治療法の基盤となる検討を行う。
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研究成果の概要 |
慢性歯周炎における慢性炎症は歯周組織を破壊する。本研究は歯周病原細菌感染により好中球が放出する好中球細胞外トラップ(NETs)が口腔粘膜バリアを破壊するメカニズムについて研究を実施した。Fusobacterium nucleatumは好中球からNETs放出を誘導し、NETsはMIFを著明に発現していた。F. nucleatumはマスト細胞からも細胞外トラップ(MCETs)放出を誘導し、MIF発現細胞外トラップはマクロファージに炎症応答を誘導した。他方、Porphyromonas gingivalisのジンジパインは血管内皮細胞が産生するPAI-1を分解し、血管内皮の創傷治癒遅延を誘導した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯周病は、口のなかに常在する歯周病菌による感染症で、持続的な感染により引き起こされる慢性炎症が歯を支える顎の骨を破壊する。よって、慢性炎症のメカニズム解明は、歯周病の予防に重要な意味を持つ。本研究は、歯周病菌が慢性炎症を引き起こし、歯ぐきを支える粘膜バリアを破壊することを明らかにした。歯周病菌の感染に対して、免疫細胞の好中球やマスト細胞は細胞外トラップと呼ばれるクモの巣状の網を噴射し細菌を破壊するが、細胞外トラップは炎症も引き起こすことを明らかにした。また、歯周病菌の持つ酵素であるジンジパインは、血管の修復を遅延させることを明らかにした。
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