研究課題/領域番号 |
19K10180
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菅野 太郎 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30302160)
|
研究分担者 |
中村 圭祐 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (30431589)
天雲 太一 東北大学, 大学病院, 講師 (80451425)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | プロアントシアニジン / 骨粗鬆症 / インプラント / 骨治癒 / オッセオインテグレーション / 腸内細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
骨粗鬆症は、骨密度や骨質が低下する疾患であり、歯科インプラント治療のリスクファクターと考えられている。本研究では、骨粗鬆症患者における歯科用インプラントの骨結合強度改善を目的とし、ブドウ種子由来のプロアントシアニジンの経口投与による骨代謝能改善療法の基盤技術を確立する。これまでに、プロアントシアニジンを経口投与することで、腸内細菌叢が変化することを示唆する予備データを得ている。また、腸内細菌叢は骨代謝を含む生体の代謝機能に影響を及ぼすことが知られている。そこで、腸内細菌叢と骨代謝の関連性を分析し、骨粗鬆症患者の歯科インプラント治療の改善に寄与する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、ポリフェノールの一種であるプロアントシアニジンを豊富に含むブドウ種子抽出物(GSE)の経口投与が、骨粗鬆症のモデル動物(卵巣摘出ラット)の骨治癒およびインプラント骨結合に及ぼす影響を調べた。卵巣を摘出したラットの頭蓋骨に骨欠損を作製し、脛骨にチタン製ミニスクリュー(インプラント)を埋入した。治癒期間中、毎日GSEあるいは水を経口投与した。GSE投与群では水投与群に比べて、骨欠損の治癒が促進されることが分かった。また、GSE投与群では、脛骨に埋入したインプラントの除去トルク値および組織学的分析によって算出した骨とインプラントの接触率が水投与群よりも有意に高くなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プロアントシアニジンは果物や野菜に含まれるポリフェノールであり、日常的に摂取している安全性の高い物質である。この物質は種々の生理活性を有しており、メタボリックシンドロームの症状を改善する効果がある。本研究では、このプロアントシアニジンが骨粗鬆症患者のインプラント治療に応用できるかどうかについて動物実験を通して検証した。その結果、卵巣を摘出した骨粗鬆症モデルのラットでは、骨治癒が遅延しインプラントと骨の結合強度が低下するが、プロアントシアニジンを経口投与することでこれらの症状が軽減されることが分かった。従って、新たな医薬品あるいはサプリメント(特定保健用食品)として応用できる可能性が示唆された。
|