研究課題/領域番号 |
19K10210
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
鳥巣 哲朗 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (80264258)
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研究分担者 |
村田 比呂司 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (40229993)
多田 浩晃 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (70779404)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 咀嚼筋痛障害 / 伸張性運動 / 持続的かみしめ / 超音波画像診断 / エコー輝度 / 標準化 / 慢性疼痛 / 疼痛感受性 / 不動化 / 顎筋 / 超音波診断装置 / 口腔顔面痛 / 疼痛過敏 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性疼痛は治療に難渋する状態の1つである。口腔顔面領域では咀嚼筋痛障害として遭遇することが多く、継続的上下歯列接触習癖がリスクファクターの1つと考えられている。しかしこの習癖が慢性疼痛へと発展していくメカニズムは依然として不明である。前処置として伸張性運動を行わせ疼痛トリガー因子としての確認を行ってきたが、疼痛感受性に明瞭な変化は見られなかった。臨床では何らかの原因で開口量が制限され、その後開口制限・疼痛増加がみられる状態にしばしば遭遇する。このことから、不動化等の状態が疼痛過敏状態を固定化し、歯列接触習癖を慢性疼痛へと発展させるメカニズムに関与するのではないか?と考え、本研究を計画した。
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研究成果の概要 |
痛みがあるのにそれを増悪させるような持続的なかみしめが悪習癖になるという矛盾の原因を究明するために、伸張性運動の事前負荷の関与を実験的に調べた。伸張性運動を下顎に負荷しその2日後に持続的かみしめ運動を行わせると、かみしめ後の疼痛レベルが有意に影響を受け、コントロールのガム咀嚼事前負荷と比較し悪化することが示された。 臨床では患者が顎を動かさない不動化が生じていることが多い。この不動化による筋の状態変化を超音波画像検査装置を用いて定量的に計測する方法の開発を試みた。皮下組織領域のエコー輝度を標準化の基準とし、咬筋外筋膜の計測方法を規定することで再現性の高い定量的評価方法を確立することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性的な咀嚼筋痛障害を呈する患者において、その発症メカニズムに関与する可能性がある伸張性運動の特徴を調べた。コントロールとして利用したガム咀嚼運動と比較し持続的かみしめ後の疼痛レベルを悪化させる可能性が示唆された。慢性疼痛発症メカニズム解明の一端、および患者指導や運動療法を計画する際に考慮すべき事項の提示に貢献することができた。 超音波診断法は放射線被曝することなくチェアサイドで比較的簡単に患者の来院毎の筋の状態を評価できる可能性がある。今回の標準化および計測定義を用いることでエコー輝度計測において十分な信頼性を得ることができた。臨床における咀嚼筋痛患者の状態評価への応用の可能性が示された。
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