研究課題/領域番号 |
19K10233
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 長崎大学 (2021-2022) 大阪歯科大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
島田 明子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (00452871)
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研究分担者 |
小見山 道 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (60339223)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 咀嚼運動 / 嚥下機能 / 神経変性疾患 / 進行性神経変性疾患 / 口腔機能評価 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢に伴い有病率が上昇し咀嚼嚥下障害を伴う進行性神経変性疾患(ND)である筋萎縮性側索硬化症(ALS)やパーキンソン病(PD)の患者における『口から食べる』機能の維持・管理は極めて重要な責務である。嚥下障害の重症化に伴い、胃瘻設置を余儀なくされるが、設置時期について標準化された臨床基準がない。本研究は、設置時期決定のための非侵襲的かつ容易に測定できる標準化された口腔機能評価法の確立を目的とする。本研究が、胃瘻設置時期決定の最適化の一助となり、終局的に、尚早な設置による不要なQOL低下や、設置の遅延による低栄養などのリスクが回避でき、ND患者の口腔機能の維持・管理が可能になると思考する。
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研究成果の概要 |
本研究では、まず、健常者の咀嚼から嚥下までの筋活動を異なる咀嚼条件下で観察し、嚥下に影響を及ぼす咀嚼関連因子の検出を行った。その結果、咀嚼時間の短縮による嚥下機能に影響は見られなかったが、咀嚼パターンの調整が円滑な嚥下運動につながることが示唆され、食品の性状と嚥下関連筋活動の関連性も示された。次に、健常者の舌の感覚変化が咀嚼運動に及ぼす影響を検討した。異なる食品を舌の表面麻酔あり・なしの条件下で咀嚼し、舌の感覚変化が咀嚼運動に及ぼす影響を検討した。その結果、表面麻酔による舌の感覚鈍麻は確認されたが、咀嚼機能には影響しないことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により健常者の食品の性状および感覚入力の違いによる一連の咀嚼嚥下運動制御の様相が明らかになった。日本の超高齢社会では、進行性神経変性疾患である筋萎縮性側索硬化症(ALS)やパーキンソン病(PD)の患者数が増加し、口から食べる機能の維持・管理が重要である。ALSやPDにおける嚥下障害の重症化に伴い、胃瘻設置が必要な場合があるが、胃瘻設置時期の標準化された評価方法がまだ存在していない。本研究結果に基づき、胃瘻設置時期の標準化された評価方法が確立されれば、胃瘻設置によるQOL低下や低栄養、誤嚥性肺炎のリスクが回避され、進行性神経変性疾患患者の口から食べる機能の維持・管理が可能になると考える。
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