研究課題/領域番号 |
19K10277
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
野口 一馬 兵庫医科大学, 医学部, 臨床教授 (50309473)
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研究分担者 |
寺田 友紀 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00340977)
山根木 康嗣 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00434944)
柳本 惣市 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (10315260)
岸本 裕充 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30291818)
鵜澤 成一 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (30345285)
中野 芳朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30360267)
長谷川 巧実 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (50546497)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 唾液腺癌 / 粘表皮癌 / 融合遺伝子 / バイオマーカー / 発癌メカニズム / 新規分子標的薬 / 新規分子標的治療 / 培養細胞 / オルガノイド / 分子標的薬 / 細胞培養 |
研究開始時の研究の概要 |
唾液腺がんは口腔がんと異なり、飲酒や喫煙の影響による発がんではなく、遺伝子変異がきっかけで発がんしている可能性が近年、明らかになった。唾液腺癌の標準治療は外科的切除であるため、生検により確定診断を得た唾液腺癌の切除に伴い、得られた組織の一部より培養細胞を作成する。得られた細胞を用いてゲノム解析を行い、遺伝子の変異を確認する。このタイプのがんは遺伝子変異のタイプに依存して細胞内のシグナル経路が変化しているので、この部位を明らかにすればその阻害剤で細胞増殖を押さえることが可能となる。この点を明らかにしていく。
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研究成果の概要 |
唾液腺癌症例に対する新たなバイオマーカーの探索を行った。対象は粘表皮癌3例、腺様嚢胞癌1例、多形腺腫由来癌1例で、過去に融合遺伝子の候補となる存在が示唆されており、これらに対して融合遺伝子を解析した。粘表皮癌では自験例の2/3でCRTC1-MAML2の融合遺伝子を確認し、1例より初代培養細胞株の樹立に成功した。遺伝子解析から新たなバイオマーカーを検索し、LAMB3とTACSTD2が新たな候補となった。粘表皮癌の臨床検体に対してLAMB3とTACSTD2の発現を免疫組織学的に検討した結果、腫瘍特異的に発現していることを確認し、新たな分子標的治療や血液中のバイオマーカーとして活用できると考えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外科的切除された唾液腺癌組織より継代可能細胞を作成し、唾液腺癌の細胞生物学的・分子遺伝学的性質を解明し、分子標的薬の開発につなげていくことを目的とする。唾液腺癌培養細胞で株化できたものは極めて少なく、継続的に利用されている細胞はほとんどない。腺様嚢胞癌培養細胞株では、Hela株のコンタミネーションなど多くの細胞株が存在を否定されているため、米国ではAdCC Research Foundation(https://www.accrf.org)が基礎研究支援をおこなっている。我々は多施設間で協力しながら唾液腺癌組織と細胞株を共有し合う事で新たな治療標的を探索し、唾液腺癌の治療成績の向上へと繋がる。
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