研究課題/領域番号 |
19K10297
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
櫻井 学 朝日大学, 歯学部, 教授 (50225843)
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研究分担者 |
岸本 敏幸 朝日大学, 歯学部, 講師 (80733435)
宮脇 卓也 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00219825)
松浦 信幸 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20408313)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アデノシン / 揮発性麻酔薬 / アデノシン受容体 / セボフルラン / アデノシン三リン酸 / 鎮静・催眠 / ATP / アミノフィリン / 吸入麻酔薬 |
研究開始時の研究の概要 |
吸入麻酔薬の作用(催眠・鎮痛作用)にアデノシンが関与していることを示し,そのメカニズムを周術期の管理に応用することが本研究の目的である.具体的には,(1) ATP製剤を用いアデノシン受容体を刺激することによる吸入麻酔薬使用量の節減(使用量増加に伴う副作用の軽減)および術後鎮痛作用の発現,(2) アミノフィリンを用いアデノシン受容体を拮抗することによる覚醒促進(迅速な回復は,口腔外科手術直後の自覚症状による気道の形態的変化に伴う換気障害の発見・対応が可能となる.それに加え歯科で需要の多い日帰り全身麻酔での早期帰宅も可能となる.)が可能となることを示す.
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研究成果の概要 |
ATPを100 μg/kg/minで単独投与すると催眠・鎮静状態の評価に用いるBIS(bispectral index)値は軽度に低下したが,全被検者が指示行動に対して反応し催眠状態にならなかった.セボフルランを終末呼気濃度が0.4 %になるように投与するとBIS値が有意に低下し,大半の症例が指示行動に対し反応しなくなり催眠状態になった.しかし,セボフルランにATPを100 μg/kg/minで併用投与すると,セボフルラン単独投与と比較しBIS値は有意に上昇し,指示行動に反応する被検者も増え,ATP投与によりセボフルランの催眠状態が減弱されることが示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ATP投与により揮発性麻酔薬であるセボフルランの催眠作用が減弱された.ATPは体内で迅速に分解されアデノシンになりP1受容体にも作用する.そのためadenosinergic neuromodulatory mechanismを介し,全身麻酔薬の催眠作用を増強する可能性があり,我々はATPが静脈麻酔薬や鎮静薬の催眠・鎮静作用を増強することを報告してきた.しかし揮発性麻酔薬であるセボフルランには逆の反応を示し,ATPの併用により催眠深度が浅くなった.静脈麻酔薬も揮発性麻酔薬もGABAA受容体を介して作用が発現するとされているが,アデノシンがこれにどのように影響するのか解明するのが今後の課題である.
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