研究課題/領域番号 |
19K10327
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
坂本 洋右 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (50451745)
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研究分担者 |
小池 一幸 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (10618060)
丹沢 秀樹 千葉大学, 真菌医学研究センター, 特任教授 (50236775)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | PLOD2 / コンディショナルノックアウトマウス / Plod2 / 口腔癌 / リシン水酸化酵素 / クロスリンク / Plod2Floxedマウス |
研究開始時の研究の概要 |
口腔領域に原発する悪性腫瘍は、顎骨内への浸潤や骨破壊をしばしば認める。近年、コラーゲン分子間のクロスリンクの質的・量的な違いが、癌転移の要因となることが示唆されているが、顎骨浸潤や骨転移における詳細なメカニズムは報告されていない。コラーゲンクロスリンクを規定しているリシン水酸化酵素をコードする遺伝子(Plod2)は、骨の石灰化はもとより、癌転移にも関わるという知見が報告されている。本研究は、顔面骨をターゲットにするPlod2コンディショナルノックアウトマウスを用いる。本マウスの組織学的影響やクロスリンクの質的・量的な変化を詳細に解析し、癌細胞の顎骨浸潤転移機構の解明・その抑制薬の開発を行う。
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研究成果の概要 |
我々の先行研究では、PLOD2は胎生致死遺伝子であることが示唆されたため、本研究ではPlod2コンディショナルノックアウトマウスを用いて研究を行った。同マウスの尻尾より線維芽細胞を初代培養し安定した長期培養に成功した。PLOD2ノックアウト細胞モデルにおいては、細胞遊走時に働くとされている糸状仮足形成の促進を認め、有意に細胞遊走能の亢進が認められた。遺伝子発現解析、細胞免疫染色においても、この表現型を決定付ける結果となった。したがって、この表現型の正確な役割を理解することは、線維症の病態や創傷治癒を解明するのに役立つと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
LH2コード遺伝子のPLOD2は、骨形成不全を特徴とするBruck症候群の原因遺伝子として特定され、PLOD2遺伝子が硬組織形成へ特に深く関与することが報告されたが、以前は癌におけるLH2/PLOD2の関与は考えられていなかった。しかし、近年になってLH2過剰発現が肺癌、乳癌などの予後不良因子であることが報告されており、エビデンスが飛躍的に蓄積されている。特に癌転移に関与することも報告されており、PLOD2の未知の機能や性質を解明することは、学術的にも社会的にも大きく貢献するものである。
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