研究課題/領域番号 |
19K10415
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
武田 守 麻布大学, 生命・環境科学部, 教授 (20227036)
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研究分担者 |
島津 徳人 麻布大学, 生命・環境科学部, 准教授 (10297947)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 歯科矯正 / 痛覚過敏 / 補完代替医療 / 食品成分 / 鎮痛薬 / イソフラボン / ポリフェノール / 侵害受容性三叉神経ニューロン / NSAIDs |
研究開始時の研究の概要 |
歯科矯正時の疼痛緩和の目的で非ステロイド性抗炎症薬が使用されているが、疼痛緩和効果に付随して矯正学的な歯の移動を抑制することが指摘されている。近年,ポリフェノールなどの様々な食品中の化学成分が炎症時のプロスタグランジン産生に関わるシクロオキシゲナーゼ-2の産生を選択的に抑制することが報告されている。本研究では、矯正装置を装着後、実験的歯の移動に伴う炎症性・異所性痛覚過敏が、食品に含まれる化学成分(アントシアニンなど)により歯の移動を損なわず緩和される可能性を病態生理学的に解析することを目的とする。これにより、本研究は歯科臨床領域に補完代替医療を応用する基礎的知見を取得することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、矯正装置を装着後、実験的歯の移動に伴う炎症性・異所性痛覚過敏が、食品に含まれる化学成分であるイソフラボン(ゲニステイン)により歯槽骨改造に伴う歯の移動を損なわず緩和される可能性を行動学的・形態学的・電気生理学的手法を用いて系統的に解析した。その結果、実験的な歯の移動に伴う炎症性・異所性痛覚過敏が食品成分の一つであるイソフラボンにより歯科矯正処置に起因する炎症性疼痛を、歯の移動を損なわず緩和されることが判明した。したがって食品成分由来のフィトケミカルである「イソフラボン」が非ステロイド性抗炎症薬に替わる「補完代替医療」や 歯科臨床に貢献する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、動物モデルを用いて歯科矯正装置を装着後、歯の移動に伴う炎症性異所性痛覚過敏が食品由来化学成分であるイソフラボンにより、歯の移動を損なわず緩和される可能性を用いて明らかとした。これらの知見は、ヒトにおける矯正学的な歯の移動に随伴する炎症疼痛の緩和に対して、食品由来のポリフェノールにより調節される可能性を示唆するエビデンスとして学術的意義が大きい。植物由来の化学成分を用いた疼痛緩和の可能性を示唆するこれらの知見は既存の医薬品である非ステロイド性消炎鎮痛薬の持つ副作用を、軽減できる消炎鎮痛薬の開発を視野に入れた「補完代替医療」や「歯科臨床」に貢献する可能性が高いため、社会的意義が大きい。
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