研究課題/領域番号 |
19K10426
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
|
研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
福井 佳代子 (真柄佳代子) 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 講師 (10181611)
|
研究分担者 |
仲村 健二郎 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (00227894)
桑島 治博 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (80139310)
今井 あかね 日本歯科大学新潟短期大学, その他部局等, 教授 (60180080)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | Candida / シスタチン / システインプロテアーゼインヒビター / 薬剤耐性 / CDR1 / ラクトフェリン / オーラルフローラ / ムチン / 唾液中タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化社会において健康寿命の延伸は重要な課題である。高齢者にはほとんど基礎疾患があり、また口腔衛生状態が不良なため、日和見感染菌であるカンジダ菌が増殖しやすくなり、そこから誤嚥性肺炎を引き起こすことがある。そこでオーラルフローラを調節し、唾液中タンパク質の関連薬物でカンジダ菌増殖を抑制し、健康寿命を延伸したい。 以下の4点について研究方法を立案する。 ①唾液中の各タンパク質濃度をELISA測定し、カンジダ保菌との関連を調査 ②Disc拡散法や微量液体希釈法などにより、培地上でカンジダ菌への各タンパク質の抗真菌作用を確認 ③口腔カンジダ症マウスを作製し、関連薬物の有効性と安全性を検証 ④総括
|
研究成果の概要 |
オーラルフローラを調節することで、カンジダ菌増殖を抑制し健康寿命を延伸することを目的とし、唾液中タンパク質等の抗真菌作用を調査した。唾液中タンパク質であるシスタチンS、ラクトフェリン、ムチンを培地上で調査し、カンジダ菌への抗真菌作用が認められた。また、健常人の唾液を調査した結果、シスタチンSとパパイン阻害に相関関係が認められた。パパイン阻害とタンパク質濃度の相関関係も認められ、タンパク質濃度が上昇すればパパイン阻害も上昇する。詳細に唾液タンパク質を調べていくことで各々のタンパク質が唾液検査の指標や薬となり、オーダーメイドの歯科保健指導や高齢者の口腔衛生状態の改善につながる可能性が示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔カンジダ症は、口腔内感染症の中ではう蝕・歯周病に次いで3番目に多い疾患である。高齢者は、口腔内カンジダ菌の誤嚥などにより、肺炎や全身カンジダ症を引き起こす場合がある。今回の研究で、唾液中タンパク質であるシスタチンS、ラクトフェリン、ムチンのカンジダ菌への抗真菌作用が明らかとなった。唾液中タンパク質の抗真菌作用でカンジダ菌を抑制し、死亡要因第4位の肺炎を予防することは、健康寿命の延伸に大きく貢献すると考えられる。一方、抗菌薬の乱用などによる薬剤耐性が現在問題となっている。今回の研究で唾液中タンパク質の抗真菌作用が認められ、既存薬とは系列の異なる新薬開発が可能となると考えられる。
|