研究課題/領域番号 |
19K10457
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 山陽小野田市立山口東京理科大学 (2020-2021) 就実大学 (2019) |
研究代表者 |
小野 浩重 山陽小野田市立山口東京理科大学, 薬学部, 教授 (90368704)
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研究分担者 |
塩田 澄子 就実大学, 薬学部, 教授 (00368698)
加地 弘明 就実大学, 薬学部, 准教授 (10368706)
通阪 栄一 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (40363543)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ミュータンス菌 / う蝕 / フッ化ナトリウム / パッチ製剤 / ゲル化剤 / 放出制御 / 口腔ケア / フッ化物 / 徐放性 / エマルション / 安全性 / フッ化物イオン / HSA / ヤシ油 / S/Oサスペンション / 増殖抑制効果 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、日本人の死亡原因の上位を占める脳血管疾患や誤嚥性肺炎と口腔内細菌増殖による誤嚥性肺炎との関連性が注目されており、こうした全身疾患の予防には日常的な口腔ケアが重要となる。口腔保健におけるフッ化物の応用は、う蝕予防における基本的な施策として定着してきており、ホームケアとしてのフッ化物配合歯磨剤の普及がう蝕予防に大きく貢献している。我々は、これまでう蝕及び歯周病の原因菌であるミュータンス菌に対し、低濃度フッ化物製剤による効果的で安全な応用法の検討を行ってきた。 本研究では、未だ実用化に至っていない簡便でう蝕予防効果の高い新規フッ化物含有口腔粘膜付着性パッチ製剤の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、水を使用せずにう蝕及び歯周病の原因菌であるミュータンス菌に対する予防効果を有する口腔内パッチ製剤の開発を目的としてフッ化ナトリウム(NaF)含有S/O(solid-in-oil)エマルションを用いたパッチ製剤を調製し、組成成分である様々な油相やNaFの放出制御に関わるゲル化剤HSA(12-ヒドロキシステアリン酸)の有用性を検討した。その結果、ヤシ油を用いたHSA0.05g/mL、1mg/ml NaFを含有したパッチ製剤で添加後3時間までの早期のミュータンス菌増殖の抑制とその後の持続的なミュータンス菌増殖抑制効果を示し、フッ化物イオンの徐放化に伴う本パッチ製剤の有用性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国での口腔保健におけるフッ化物配合歯磨剤の普及はう蝕予防に大きく貢献してきた。その一方で、歯磨きで水を使用して洗浄する際に肺炎起炎菌を含む洗浄水を誤嚥することで誤嚥性性肺炎発症を惹起させるリスクや、ウイルス、細菌を含んだ唾液や分泌物の飛沫が洗面台の蛇口やレバーに付着することにより感染が広まる可能性が指摘されている。本パッチ製剤はフッ化物含有S/Oエマルションの調製段階でゲル化剤HSAを用いることでフッ化物イオンの放出制御を可能とし、口腔内に低濃度のフッ化物イオンを一定時間滞留させる徐放化を実現したことで水を使用せずに簡便かつ安全なう蝕予防効果の高い口腔セルフケア製剤になり得るものである。
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