研究課題/領域番号 |
19K10461
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
中川 量晴 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (60585719)
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研究分担者 |
戸原 玄 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00396954)
片桐 さやか 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60510352)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 摂食嚥下障害 / 栄養吸収 / 栄養代謝 / とろみ調整食品 / ラット / 経腸栄養 / 腸内細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
誤嚥性肺炎や低栄養は、おもに加齢や摂食嚥下障害に起因し、その予防策は、高齢化が進むわが国の重要課題の一つである。高齢者や摂食嚥下障害患者では、誤嚥性肺炎や低栄養を予防するため経口摂取を断念し、胃ろうや腸ろうなどの経腸栄養を選択することがあるが、長期化すると消化管運動機能が低下し、慢性便秘などが生じる。近年、消化管運動と腸内細菌叢との関連が指摘されているが、嚥下障害や経腸栄養管理をする患者の腸内環境に関する報告はほぼ皆無である。そこで本研究では、咀嚼障害/胃ろうモデル動物を作製し、①咀嚼嚥下障害および ②経腸栄養管理がそれぞれ腸内細菌叢にどのような影響を及ぼすかの基礎的データを取得する。
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研究成果の概要 |
高齢者や摂食嚥下障害患者では、誤嚥性肺炎を予防するため食事にとろみ調整食品を用いて嚥下しやすくする。本研究はとろみ調整食品の使用が生体にどのような影響を及ぼすか、基礎的データを取得することである。 とろみ調整食品が栄養吸収に影響を及ぼすか検討したところ、体重増加率と腎臓重量がとろみ群で有意に低値であった。また血中グルコース(GLU)と中性脂肪(TG)が有意に低値であった。誤嚥を予防する目的で摂取するとろみ調整食品は、生体機能を維持するための栄養吸収を抑制する可能性がある。嚥下障害の重症度を適切に評価し、とろみ調整剤を必要な方に、必要な量だけ使用することが重要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
嚥下障害の臨床ではとろみ調整食品を用いることは誤嚥を予防するために大変有用である。しかしながら、とろみ調整食品の使用法や使用量は、嚥下障害の診断に基づいて決定されず、その場の判断のみで使用されることがしばしばある。すなわち、嚥下障害の重症度を適切に評価し、必要な方にだけ必要な量を用いることが重要となるが、本研究成果は、その点を栄養学的な観点からあらためて提示したものといえる。本研究は、とろみ調整食品が栄養吸収におよぼす影響を基礎的に検討した最初の研究である。嚥下障害患者を取り巻く、誤嚥性肺炎、低栄養などの医学的な管理に寄与する新しいエビデンスの構築に役立てたい。
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