研究課題
基盤研究(C)
2019年、世界保健機構(WHO)は、人類の保健に対する10の世界的脅威に初めてVaccine Hesitancy(ワクチン躊躇)をリストに挙げた。ワクチン対象疾患が希少となったため、その効果を実感することなく、逆に副作用などへの疑念が強くなり、予防接種を躊躇する。その結果、麻疹など当該疾患の再興が欧米でも起こり、犠牲者が出ている。対応の遅れはいずれわが国の感染管理においても致命的となりうるため、早期の対策が迫られている。本研究では、わが国の実態調査を行いつつ、乳幼児健診システムを利用して評価、広報を行い、誤った情報について直接医師が説明を行う場を提供するワクチン相談会システムの確立を目指す。
Vaccine Hesitancyに関して、わが国における実態は不明である。ワクチンに疑念を持つ家族を対象に相談会を開催し、家族の判断因子を評価した。その結果、ワクチン添加物、ワクチン効果、副反応など多岐にわたる疑問が存在した。そして、それらの受け皿となる団体の存在も複数あった。一方で医療者側には本課題の認知が低い。全体像の評価として、ワクチン接種状況を富山市の小中学生保護者を対象に調査したところ、中学生で2.2% (90/4046)、小学生で2.6% (191/7348)がVaccine Hesitancyと考えられた。わが国でもVHは存在し、対策が急務である。
これまで実態が不明であったVaccine Hesitancy(ワクチン躊躇)の詳細な状況を評価し、わが国でも看過できないレベルで一般社会においてワクチンへの疑念が高まっている。さらに期せずしてコロナ禍となったことで、本課題への取り組みの必要性が明確化された。本研究において、質的評価では医療者への不信感、信頼欠如がワクチンへの不信感へとつながっており、医療者側の認識変化も必要という結果であった。ワクチン効果が明確なものとそうでないものを混同して表現することは避け、信頼される情報を国民に分かりやすい形で発信する方法の検討が今後の課題と思われた。
すべて 2022 2021 2020 2019
すべて 雑誌論文 (17件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (18件) (うち招待講演 7件)
アレルギーの臨床
巻: 42 ページ: 215-218
保育と保健
巻: 28 ページ: 51-53
日本小児科学会雑誌
巻: 125 ページ: 1581-1584
40022751639
保団連
巻: 1353 ページ: 16-21
日本小児救急医学会雑誌
巻: 20 ページ: 486-492
クレスコ
巻: 246 ページ: 12-17
別冊Bio Clinica: 慢性炎症と疾患
巻: 9 ページ: 128-131
小児科
巻: 61 ページ: 1341-1346
40022334937
救急医学
巻: 44 ページ: 1470-1475
小児科臨床
巻: 73 ページ: 1525-1530
BIO Clinica
巻: 35 ページ: 136-139
Brain and Development
巻: 42 号: 2 ページ: 171-178
10.1016/j.braindev.2019.10.005
The Pediatric Infectious Disease Journal
巻: 38 号: 8 ページ: 781-785
10.1097/inf.0000000000002298
小児内科
巻: 51 ページ: 648-651
Organ Biology
巻: 22 ページ: 23-29
130007716032
巻: 51 ページ: 1342-1345
巻: 123 ページ: 1032-1037