研究課題/領域番号 |
19K10513
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
濱井 妙子 静岡県立大学, 看護学部, 講師 (50295565)
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研究分担者 |
大野 直子 順天堂大学, 国際教養学部, 准教授 (90730367)
西川 浩昭 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (30208160)
永田 文子 淑徳大学, 看護栄養学部, 准教授 (30315858)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 医療通訳 / 通訳の正確性 / 患者アウトカム / 通訳の質 / 患者安全 / リスクマネジメント / 外国人診療 / 医療コミュニケーション / 医療通訳の質 / 医療安全 / リスクコミュニケーション / 外国人医療 |
研究開始時の研究の概要 |
日本語で意思疎通が難しい外国人患者に安心・安全な医療サービスを提供するためには、言葉の障害を解消することが最優先課題である。2020東京オリンピック決定以降、外国人患者の受入体制整備・医療通訳体制構築の必要性が高まっている。そこで本研究では外国人患者受入れ拠点病院における医療通訳者介在の診療場面を録音調査して、医療通訳者の通訳の正確性と患者アウトカムとの関連を分析する。学術的特色は、医療通訳者の有用性と役割を、通訳の正確性の側面からだけではなく、外国人患者・医療者・通訳者の3者間コミュニケーションの相互作用の側面を含めて患者アウトカムとの関連からディスカッションし新たな知見を得ることである。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、文献レビューにより臨床現場における通訳の分類法を検討し、通訳の正確性と患者アウトカムとの関連を分析することである。外国人患者受入れ拠点病院の院内通訳者または患者が連れてきたアドホック通訳者が介在した診療の録音調査と患者、医師、通訳者の満足度調査を行った。診療61件のうち院内通訳者48件、アドホック通訳者13件を分析した。通訳の正確性は院内通訳者の方が有意に高かったが、患者満足度とは関連は認められなかった。他方、医師の満足度は通訳の正確性と関連があり、院内通訳者の方が有意に高かった。この結果から、通訳の正確性を患者アウトカムから評価する場合は、満足度以外の指標が適切かもしれない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は、国内で初めて医療通訳者が介在した診療を録音調査して、臨床現場における通訳の実態を明らかにし、訓練をうけた通訳者と患者が連れてきたアドホック通訳者の通訳の正確性の違いを実証することができたことである。さらに、文献レビューにより提示したコーディング・スキームを用いて分析した結果、医療通訳の質評価の概念枠組みに示された概念間の関係を説明できたことから、この分類法が医療通訳の質の評価項目として活用できる可能性が示されたことである。社会的意義は、言葉の障害による医療過誤の危険性を予防する上で有益な情報を提供することになり、外国人診療に対する医療安全と医療の質の向上に寄与することである。
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