研究課題/領域番号 |
19K10579
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
|
研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
木村 達郎 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (50382049)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 人間ドック / 胸部X線検査 / 要精密検査 / 肺がん / リピーター / 胸部CT検査 / 肺癌 / 胸部X線 / 発がん |
研究開始時の研究の概要 |
胸部X線検査は肺がんのスクリーニングとして人間ドック、検診において大変重要な検査です。肺がんの進行をおさえ早期発見するには本格的に精度管理を含むケアが重要です。我々は、MedCity21人間ドックにて呼び出しシステムと名付けた本格的に精度管理をした受診勧告を行っています。MedCity21バイオバンクに登録され、かつ、胸部判定で要精密検査となり当院にてCT検査を施行した症例のコホート研究を行います。人間ドック受診ごとにバイオバンクに生体サンプルが蓄積されます。肺がん発症時にそのサンプルからバイオマーカーを測定し経年変化を検討し、環境因子や遺伝素因を考慮した肺がん発症リスクの定量化をめざします。
|
研究実績の概要 |
我々は、MedCity21人間ドックにて呼び出しシステムと名付けた本格的に精度管理を行い受診勧告を行っています。胸部X線検査、胸部CT検査にて要精密検査と判定されれば附属クリニック外来に受診勧告するシステムです。2022年にオミクロン株を中心としたCOVID-19の大波を3回経験しました(第6波:1~3月、第7波:7~9月、第8波:10月~2月)。オミクロン株はオリジナル株やデルタ株より拡散しやすいといわれています。これらCOVID波により肺がん検診は大変影響を受けています。 2018年から2021年まで1年間で、胸部X線検査を施行した健診者は、順に12540、13690、12070、13409人であり、胸部X線検査にて要精密検査は、順に2.7%(リピーター/初回受診 2.1/3.4%)、2.4%(1.8/3.2%)、2.4%(1.8/3.8%)、2.3%(1.5/4.0%)でした。 2022年は13068人が胸部X線検査を施行されました。要精密検査は、1.8%(1.2/3.3%)とそれまでより大変低くなっています。COVID-19期間中において肺がんの発見比が低下したことを日本人間ドック学会にて報告。(木村達郎他 2021年第62回日本人間ドック学会学術大会) 2022年のCOVIDの影響についてAmerican Society of Clinical Oncology Annual Meeting 2023にSubmit しています。 胸部X線所見における結節影は、リピーターが初回受診者に比べ高い傾向にあり、同一施設をリピートすることが肺がんの除外診断に有用であり健診受診者のメリットになることを2020年第27回国際健診学会で報告、さらに、論文化しました。(Kimura T, et al. Health Prim Car. Volume 5: 1-5, 2021)
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19パンデミックに対応した緊急事態宣言とその後の医療体制の変化により健診中止や人数制限、また、多くの人が健康診断の受診を控えたこと等、多大な影響を受けました。 また、移動や人との接触を極力伴わないように努める。現場での滞在時間を極力減らすよう努める。基本的感染対策(毎朝検温、標準予防策、換気等)に努め、3つの密(密閉・密集・密接)を回避する。等の大学指針により、大学内での研究中止、在宅勤務推奨になり、実験室での研究ができる環境にありませんでした。また、普段使用していたハードディスクが突然動かなくなり、修理に時間がかかったことも一因です。
|
今後の研究の推進方策 |
リピーターによる肺がん発症症例リストアップが終了しました。現在、4名の症例が健診フォローアップ中に肺がん発症を認めています。miRNAをはじめ、老化因子、PlasmaFree DN、炎症性サイトカイン等の考えられるマーカーを測定し経年変化を観察します。
|