研究課題/領域番号 |
19K10580
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
安木 真世 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 准教授 (40589008)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ウェルシュ菌 / 食中毒 / 芽胞形成 / 毒素産生 / 胆汁酸 / Spo0A |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は現在までに、胆汁酸がウェルシュ菌の芽胞形成因子Spo0Aのリン酸化を促すことで芽胞形成と腸管毒素産生を増強することを明らかにした。本研究では①ランダムミュータジェネシスにより胆汁酸による芽胞形成に必須である遺伝子、②酵母2ハイブリッド法によりSpo0Aリン酸化に関与する遺伝子、③共免疫沈降により胆汁酸との結合に関与する遺伝子、の同定を通して胆汁酸によるSpo0Aリン酸化に関与する細菌因子の同定を目指す。
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研究成果の概要 |
胆汁酸は芽胞形成制御因子Spo0Aのリン酸化を促すことで芽胞形成を増強する。本研究では胆汁酸によるSpo0Aリン酸化に関与する細菌因子の同定を試みた。ランダムミュータジェネシス法で同定されたヒスチジンキナーゼ遺伝子の変異株の作製を試みたが、相同組換え法では適切な変異株を得ることができず、評価につながらなかった。酵母2ハイブリッド法で同定された遺伝子Aの変異株を作製し評価した結果、遺伝子Aはspo0Aの転写を正に制御して芽胞形成を増強することが明らかとなった。遺伝子Aの芽胞形成への関与を示唆した研究は世界でも例がなく、ウェルシュ菌の芽胞形成機序の理解につながる重要な新規知見と考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ウェルシュ菌食中毒では芽胞形成が病気発症の主要イベントであり、その分子機序の解明を通した病気発症の制御法の開発が期待される。本研究の学術的意義は、芽胞形成に関与する因子とその作用機序の一部を明らかにすることで病気発症機序の理解に新たな視点を与えた点、ならびに宿主体内における病原微生物の生存戦略の一端の解明につながる基盤知見を創出した点にある。また作用機序の解明は芽胞形成の制御を通した食中毒の予防法の開発へと研究の応用が期待されるが、本研究はその基盤知見の創出に貢献した点で社会的意義がある。
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