研究課題/領域番号 |
19K10595
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
森松 組子 (吉松組子) 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (90220722)
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研究分担者 |
清水 健太 北海道大学, 医学研究院, 助教 (20466840)
津田 祥美 北海道大学, 医学研究院, 講師 (70447051)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 慢性腎臓病 / CKD / 熱帯腎症 / ハンタウイルス / Thailand orthohantavirus / Sri Lanka / Mus booduga / Lanka virus / タイランドウイルス / げっ歯類 / 人獣共通感染症 / アンゾロベウイルス / ランカウイルス / CKDu / hantavirus |
研究開始時の研究の概要 |
原因不明の重症型慢性腎臓病(CKDu)が熱帯地域から報告されている。近年私達はスリランカにおいてハンタウイルス感染がCKDu発症に関与することを報告した。さらにCKDu流行地のげっ歯類からスリランカ固有のハンタウイルスを検出した。本研究ではこの新規ハンタウイルス、ランカウイルス診断法を開発し、さらにこれらを用いて、ランカウイルスの感染状況およびCKDu発症機序の解明を試みる。
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研究成果の概要 |
CKDは先進国では生活習慣に関連した疾病であるが、熱帯では背景となる疾病なく発症するCKDが問題となっていて熱帯腎症あるいはCKDuとも呼ばれる。これまでに、スリランカのCKDuにおいてハンタウイルス感染歴が危険因子であること、またげっ歯類が新規ハンタウイルスを保有することを報告してきた。本研究では鑑別診断法、遺伝子検出法を開発し検体へ応用した。その結果、2010以前からCKDu流行地おいてランカウイルスの人への感染が起こっていたことが確認され、ランカウイルスの新規感染は軽症感冒様であることが示唆された。今後、ランカウイルスがどのようにCKDuの発症と関連するのかを明らかにする必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、低病原性のハンタウイルスが慢性疾患に関与することを示したことは、他に類例をみない発見である。さらに関連するウイルスはMus属を宿主とすることが確認された初めてのハンタウイルスである。宿主であるインドハツカネズミの生態とウイルスの排泄様式は、ヒトへの感染様式に大きな影響を与えていると考えられ、これを解明し感染の制御につなげることが、CKDuの問題の解決に有効であると考えられる。スリランカのみならず中米の熱帯腎症も重要な課題である。中米でも低病原性のハンタウイルスの存在が報告されている。熱帯のCKDu問題の解決を目指すことは社会的意義の高い課題である。
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