研究課題/領域番号 |
19K10640
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
関根 正幸 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70345502)
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研究分担者 |
榎本 隆之 新潟大学, 医歯学系, 特任教授 (90283754)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | HPVワクチン / 中咽頭癌 / HPV感染 / 咽頭 / 感染予防 |
研究開始時の研究の概要 |
「HPVワクチンにより口腔(中咽頭)におけるHPV感染予防効果が期待できるか?」が本研究の「問い」である。世界各国でHPV陽性の中咽頭癌は急速に増加し、米国ではHPVワクチンにより口腔内HPV感染も抑制することが示されたが、本邦における感染予防の研究報告はない。その理由として、①頭頸部癌の集団検診が存在しないためサンプル収集が困難、②性感染症としての背景から研究同意を得にくい、という支障が推察されるが、先行研究により研究体制は既に確立している。本研究では、HPVワクチンによる咽頭でのHPV感染予防、HPV感染リスクと性的活動性の相関、子宮頸部と咽頭の感染状況の違い、を解析する。
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研究成果の概要 |
新潟市の20代健常者を対象とし、性的活動性(初交年齢と経験人数)とワクチン接種状況のアンケート調査を行い、うがい液を用いてHPVジェノタイピング検査を行った。 コロナ渦のためうがい液を用いた検体収集が予定通りには進まず、研究登録者は295例に留まった。登録者は、女性が268名(90.9%)、男性が27名(9.1%)であった。うちアンケートの回答者は、128名(43.4%)であった。うがい液を用いたHPVジェノタイピング検査の解析結果では、295例の全例でHPV感染を認めなかった。以上の結果からは、日本人20代の口腔内HPV感染率は欧米よりも低率であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦では、健常者の咽頭(口腔)におけるハイリスクHPV感染率の大規模な疫学データがなく、HPVワクチンの有効性も示されていない。子宮頸癌と同様に、中咽頭癌に対する一次予防を提案するとともに、国が定める定期接種ワクチンの一つでありながら接種率が激減しているHPVワクチンの接種勧奨に向けて、科学的データを示すことができれば本邦における公衆衛生の施策に大きく貢献できる。本研究のゴールは、「急増しているHPV関連中咽頭癌に対してもHPVワクチンの予防効果が期待できることを実証する」ことである。
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