研究課題/領域番号 |
19K10680
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
鵜沼 香奈 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授(キャリアアップ) (30586425)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 敗血症 / 硫化水素 / リポポリサッカリド / 敗血症性肝障害 / 急性肝障害 / ペルオキシレドキシン / Sepsis / Hepatocytes / Inflammation / GYY4137 / hepatocytes / inflammation / sepsis |
研究開始時の研究の概要 |
ごく最近、敗血症病態モデルにおいて、低濃度硫化水素投与による死亡率低下や炎症性サイトカイン抑制などが報告され、敗血症に対する硫化水素の保護作用が報告されてきているが、敗血症と硫化水素の相互関係を詳細に観察した報告はこれまでない。本研究では、法医学的に重要な敗血症モデルを用いて、生体内ガス状シグナル分子として注目され始めた硫化水素の関与を検証し、そのメカニズムの詳細や、他の生体内シグナルガス分子の相互作用の新規経路の検索について明らかにすることを目指している。
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研究成果の概要 |
硫化水素は抗炎症作用や抗酸化作用を有し、種々の炎症性疾患において臓器保護効果があるとされる。本研究ではリポ多糖(LPS)誘発性の敗血症によって生じる急性肝障害に対して、硫化水素が保護効果を発揮するという仮説をたて、そのメカニズムを解明することを目的として研究を行なった。その結果、敗血症群でのサイトカイン上昇が、低濃度硫化水素で緩和されることを明らかにした。さらに、敗血症群では新規抗酸化酵素として見いだされたペルオキシレドキシン4(Prx4)の遺伝子発現量が上昇すること、この上昇が低濃度硫化水素で抑制傾向になることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PRX4は細胞内では小胞体に多く存在する分泌型のタンパク質である。本研究の結果から、PRX4は敗血症病態を反映する可能性が示唆され、敗血症早期診断の有用なマーカーとなり得る可能性を明らかにした。また、敗血症病態への早期硫化水素投与により敗血症病態緩和に働く可能性が示された。これらの結果は、致死率の高い敗血症の早期診断、治療応用につながる可能性があり、学術的意義があるものと考える。
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