研究課題/領域番号 |
19K10750
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
岸田 泰子 共立女子大学, 看護学部, 教授 (60294237)
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研究分担者 |
久保 恭子 (木村恭子) 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (10320798)
山口 雅子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 博士研究員 (60259653)
森岡 郁晴 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (70264877)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 高度生殖補助医療 / 倫理的問題 / 看護倫理 / 看護教育 / 高度生殖医療 / ジレンマ |
研究開始時の研究の概要 |
生殖医療の技術的革新により、倫理的問題を伴う現象が増加している。そのような中で、看護者自身の価値観が対象者と異なり、進化する高度生殖医療に従事する看護者に倫理的ジレンマが生じている可能性があるが、看護倫理教育における準備状況は一様でない。そこで本研究は、倫理的問題を含む高度生殖医療におけるケアに従事する看護者の倫理意識と倫理的問題への対応、また倫理意識に影響する要因を明らかにし、生殖医療に関与する看護者の倫理教育への一助とする。さらに日本の看護者と看護学生の倫理意識を生殖技術の商業化が進むタイ国と比較して両国の特色を見出し、各国に必要な看護教育および看護ケアへの指針を得る。
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研究実績の概要 |
本研究は、第三者の関与を伴う、いわば倫理的問題を含む高度生殖医療におけるケアに従事する看護者の倫理意識に影響する要因を明らかにし、生殖医療に関与する看護者の倫理教育への一助とすることを目的としている。また、これからの時代に看護を担う日本の看護学生の倫理意識を生殖技術の商業化が進むタイ国と比較して両国の特色を見出し、必要な看護教育および看護ケアへの指針を得る。 文献的検討およびこれまで集積したデータのうち、日本とタイ国の看護学生のデータにおいて、改訂道徳的感受性質問紙(J-MSQ)学生版第1版の分析により、次のようなことが明らかになった。 道徳的感受性尺度の因子分析によって、2因子構造が確認された。信頼性係数は、尺度全体でα=0.71、第1因子0.78、第2因子0.66であった。また第1因子は尺度のオリジナルの「道徳的強さ」の下位項目すべてを含み、第2因子は「道徳的な気づき」のすべての項目を含んでいた。 次に日本とタイ国の道徳的感受性について比較を行った。第1因子の「道徳的強さ」とは、患者の立場から行為を正当化できる勇気や物事に立ち向かう能力を示しているが、タイの方が日本よりも有意に高かった(P<.001)。また第2因子の「道徳的気づき」とは、道徳的価値を含む問題や状況により惹起される道徳的負担に対する感覚であるが、こちらは日本の方がタイよりも有意に高かった(P<.001)。これらのことから、日本の学生の特徴として、道徳的感受性のうちの道徳的強さのような能力はタイの学生より低いものの、患者のニーズや道徳的問題に気づくことのできるセンシティブな感覚を備えていることが示唆された。このような特徴を踏まえ、今後の研究計画については、看護基礎教育における現状がどのようであるかを調べたうえで、生殖医療における看護の倫理的教育について検討することに計画を修正した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
4年目となる2022年度も、コロナ禍の影響は続いており、引き続き研究活動の進展は難しい状況であった。今年度も昨年度と同様にこれまでに集積したデータを見直し、また本研究の延長申請を行い、研究計画の見直しを図った。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染拡大による規制の緩和を受け、調査計画を進行する予定ではあるが、まだ予断を許さぬ状況も踏まえ、文献的検討および看護基礎教育の現状についての教育内容に関する調査も追加し、併用する。
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