研究課題/領域番号 |
19K10817
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
片山 恵 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (60295772)
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研究分担者 |
山口 晴美 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 講師 (00750506)
片山 修 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (20295778)
久米 弥寿子 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (30273634)
上田 記子 武庫川女子大学, 看護学部, 助教 (40757217)
阿曽 洋子 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (80127175)
川原 恵 武庫川女子大学, 看護学部, 助教 (90835472)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 汚染除去 / 指圧力 / 筋力 / 洗髪動作 / 染除去 / 筋負担 / 関節可動域 / 指圧 / 洗浄力 / セルフケア / 可視化 |
研究開始時の研究の概要 |
看護師が行う日常生活動作(ADL)のセルフケア能力のアセスメントは、見た目の動きの観察による経験に頼った主観的な判断に負うところが大きい。セルフケア能力は単に動作ができる能力を意味するのではなく、動作により目的が達成できる能力を意味する必要がある。清潔では、その動作ができることではなく、「洗浄による汚染の除去」という目的を自分で達成する能力が問われる。しかし、従来のアセスメント方法では、洗浄による汚染の除去ができているかどうかは判断できない。本研究では、洗浄による汚染の除去を可視化し、清潔動作のセルフケア能力を客観的かつ簡易に判断できるアセスメントツールを開発することを目的とする。
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研究実績の概要 |
前年度行った実験の分析結果について示す。被験者は9名の女性で、実験前2日間洗髪をしていない状態で参加した。洗髪方法はシャワーを使い、毛髪と頭皮を濡らし、頭髪が肩より短い被験者には60秒、長い被験者には90秒間、シャンプーを用いて洗髪を行ってもらった。指にフォースセンサーを装着し、1回目は自分の通常の洗髪と同じ指圧力を用い、2回目は、通常よりも40から50%の指圧力を用い、3回目は指圧力を用いず撫でるように洗髪を行った。測定項目は、①洗髪動作時に必要な動作部位の筋電図②汚染度を調べるATP値③頭皮の油分量④頭皮の角質水分量⑤細菌数とした。①は洗髪中、②~⑤は洗髪前、洗髪直後、3時間後の3回計測した。今回は、筋電図と皮脂量についての結果を報告する。 指圧は、30秒間の積分値抽出し、その中央値は1回目32.3kpa,2回目17.7kpa,3回目9.6kpaであった。筋電図の30秒間のRMSの平均は浅指屈筋1回目5960.1ms,2回目4347.0ms,3回目1759.1ms,上腕2頭筋1回目25654.6ms,2回目7486.1ms,3回目4176.2msであった。前年度の汚染度の指標の考察では、1回目と2.3回目の汚染度には差があったが、2.3回目には差がないということが推察されていた。今回の結果と筋電図の結果から汚染除去のためには、浅指屈筋と上腕2頭筋は、1回目の結果くらいの筋電図数値が必要なのではないかと推察される。3時間後の皮脂量の平均は、1回目247.9,2回目245.4,3回目327.9でありほぼ力を入れていない場合は、皮脂が洗髪にとって除去できていないことが分かった。今後は、力の入れ方と汚染度、油脂量にどのような関連があるかをさらに分析していく予定である。その結果をもとにアセスメントツールに必要な項目を作成する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度当初の予定では、実験で明らかになった結果をもとにアセスメント項目を作成し、その有用性について実証を学内での実験データと類似した測定項目でデータを取集して行うこととしていた。また、この結果をもとに臨床で実証実験を行う予定であった。しかし、もともとの学内での実験の分析に時間がかかっているため、アセスメント項目を作成する内容の検討やその内容の妥当であるかの道具を用いた確認などを十分に行うことができていない。また、臨床での実証実験も新型コロナウイルス感染症の影響で病院に外部から研究を目的として入ることが難しい状況であったので、計画を進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は最終年となるので、学内での実験結果を分析し、実験に関する学会発表をや論文作成を行う。それと並行してアセスメントツールとしての完成を目指すために、アセスメント項目の内容検討する。そしてアセスメント項目の内容によっては、道具を用いることも考えられるので、その道具でアセスメントの結果が正確に抽出できるのかを学内で試行を繰り返し精度の高いものにしていく。完成したアセスメントツールが実際の臨床現場で活用できるかどうかの実証データを収集することを目指す。
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