研究課題/領域番号 |
19K10820
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
近藤 浩子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (40234950)
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研究分担者 |
近藤 由香 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (00369357)
中村 美香 群馬大学, 大学院保健学研究科, 講師 (10644560)
辻村 弘美 群馬大学, 大学院保健学研究科, 准教授 (70375541)
吉田 亨 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (80174936)
秋山 美紀 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (10434432)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 援助要請行動 / 援助要請スキル / アサーティブ / 臨地実習 / 若手看護師 / セルフ・コンパッション / セルフコンパッション / 看護学生 / 教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,看護学生および若手看護師の援助要請行動を促進する要因を特定するために,臨地実習を経験した看護系大学3・4年生および経験年数5年目以下の看護師に対して質問紙調査とインタビュー調査を実施する。そのデータをもとに看護学生および若手看護師の援助要請行動の評価指標,援助要請行動を促進するための「教育プログラム」を作成し,その効果を検証するとともに,ガイドブックを作成してこれらを公開する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,安全な医療を提供し,かつ就業意欲を高めるために若手看護師の援助要請行動を促進する要因を明らかにすることであった。 2022年度の課題は,看護学生および若手看護師の援助要請行動を促進する教育プログラム作成の前提として,看護学生の援助要請行動を調査することであった。しかしコロナ禍の影響で,看護学生を対象とする調査は実施できなかった。代替として,2018年に行った看護学生対象の援助要請行動に関する調査の未投稿データを分析して,論文化を行った。研究結果から,看護学生にとって,臨地実習における困りごとのうちで相談しにくい内容は,教員・実習指導者との関係に関する内容であったこと,また看護学生の援助要請行動の高さには,援助要請スキル,自己開示,アサーティブネスが関連していたことが示された。 他方,若手看護師の援助要請行動を促進する方法の検討として,セルフ・コンパッションに関する文献検討を行った。セルフ・コンパッションは,燃えつきを予防し,不安・抑うつを軽減するといわれている。国内外の文献検討の結果,看護師を対象としたセルフ・コンパッションの研修形態として,時間確保が難しくても参加しやすい短時間プログラムが実用的であり,また静坐により眠くなりやすい瞑想を除いたプログラム構成が望ましく,さらにプログラムで学んだことを定着するために臨床の場で反復することが負担の少ない方法であることが示された。 さらに臨床の場にセルフ・コンパッション研修を導入する事前準備として,セルフ・コンパッションを高めることが看護師にもたらす利益についても調査を行った。急性期病院5か所の看護師を対象とした調査から,セルフ・コンパッションの高さはメンタルヘルスが良好な状態と関連している可能性が示され,現在,データの詳細な分析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍で,看護学生の臨地実習が一部制限された状況であったため,看護学生を対象とした実習中の困りごとの相談に関する調査は実施できなかった。昨年は,病棟看護師を対象とした調査を実施し,援助要請行動促進のためのプログラムに取り入れる予定であるセルフ・コンパッション,およびアサーションが看護師にとって有用であるかどうかを明らかにするための調査を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
コロナによる感染状況は改善されてきたので,看護学生を対象とした調査を再開する計画である。またセルフ・コンパッションを用いた研修プログラムの作成については,これまでに授業や研修に取入れたセルフ・コンパッションに対する受講者のレスポンスが収集できているため,このレスポンスの使用を倫理審査にかけて,分析することを計画している。看護学生および看護師に有用なプログラムを抽出する作業についても,同時並行で実施する計画である。
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