研究課題/領域番号 |
19K10888
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
瀧口 千枝 東邦大学, 健康科学部, 准教授 (50823530)
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研究分担者 |
井上 智子 国際医療福祉大学, 大学院, 教授 (20151615)
工藤 大介 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (30455844)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | クリティカルケア / 集中治療後症候群 / PICS / フォローアップ / 多職種連携 / ケア調整 / モデル開発 / ケアコーディネーション / 機能回復 / チーム医療 / システム構築 / クリティカルケア看護 / フォローアップの現状 / フォローアップの課題 / フォローアップモデル / PICS予防 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、集中治療後患者の機能回復を目指した看護師主導の継続的多職種フォローアップモデルを開発する。集中治療後患者の多くは、運動・精神・認知機能障害など遷延する合併症に苦しんでいる。その症状や必要なリソースは個々により異なるため、個別のアセスメントと多職種の介入が必須である。看護師は患者のニーズに応じた多職種連携医療をコーディネートする能力を有している。本研究では、看護師のこの能力を活用し、適切なケアの継続を可能にする集中治療患者フォローアップモデルを開発する。フォローアップモデルは、機能回復促進のみならず、患者の追跡データ蓄積と応用研究を通して、集中治療後患者の予後改善に貢献できる。
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研究実績の概要 |
2023年度は、モデルの一部である情報共有ツールの最終調整および、研究成果の学会発表、論文作成を行った。 本研究は、集中治療後患者の機能回復を目指した継続的多職種フォローアップモデル開発を目的に3つの調査を行った。 調査1では、全国588施設にアンケート配布し、集中治療医(n103)および集中治療後患者を引き継ぐ一般診療医(n79)の回答から、集中治療後患者フォローアップの現状と課題を分析した。その結果、集中治療医は、退室後患者の病状悪化を懸念し、一般診療医は退室後患者のケア依存度の高さに難渋しており、高いフォローアップニーズがあった。医師等によるフォローアップ実施率は病棟で26.2%、外来で5.8%である一方、急性・重症患者看護専門看護師(n70)では、病棟で74.3%、外来で21.5%の実施率であり、フォローアップのリソースとして看護師の活用可能性が明らかとなった。 調査2は、集中治療後6か月の患者を対象に、集中治療後の体験とフォローアップニーズを調査した。患者は、身体・認知機能低下、抑うつ傾向があり、一部の患者は失職していたが、回復・適応への自助努力をしており、医療者に情報や助言を求めていた。フォローアップにおいては、セルフマネジメント力を高める視点、情報提供・助言システムの整備が必要と考えられた。 調査3は、調査1,2を統合して試作した「集中治療後患者の機能回復を目指した継続的多職種フォローアップモデル(案)」をもとに、集中治療医、一般診療科医、精神科医、急性・重症患者看護専門看護師、理学療法士ら28名による専門家会議を5回開催した。最終的に、①PICSスクリーニング、②PICS情報共有ツールの活用、③集中治療後患者の退室後訪問、④退院時セルフケア支援、⑤フォローアップ外来、からなるフォローアップモデルが完成した。本モデルは、後継の介入研究にて有効性の検証がされる。
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