研究課題/領域番号 |
19K11372
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
松永 篤彦 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (00286387)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 慢性腎臓病 / 血液透析 / 身体機能 / 疾病管理 / 身体活動量 / リハビリテーション |
研究開始時の研究の概要 |
慢性腎臓病患者に対するリハビリテーションは世界的にその重要性が高まっているが、国内外いずれにおいても、運動療法に関する具体的なガイドラインが示されていないのが現状である。特に我が国においては人口の高齢化に伴い血液透析患者のフレイルに対する医学的な管理が急務となっている。そこで我々は、本研究において、血液透析患者に対する身体機能評価に基づく「管理システム」を開発するとともに、本「管理システム」を多施設で導入し、前向きコホート研究によって本システムの有用性を実証する。
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研究実績の概要 |
2020年4月からの新型コロナウイルス感染拡大は3年間にも及び、共同研究を進めている施設においても未だ感染対策上、入院患者と外来患者の両方を同スタッフが対応することが困難な状況が続いており、外来患者のデータ採取が可能な施設は3施設に留まっている。なお、このような状況下でも、WEBを利用して他施設との共同研究を実施しているが、本研究のアウトカムが日常の身体活動量としているだけに、いわゆるコロナ禍の影響も大きく、本来の研究計画と完全にマッチした手法による調査はできていないのが現状である。ただし、本年度の成果として、コロナ禍の影響が少ない過去起点コホートによる縦断研究をもとにした研究論文(原著論文)が9編アクセプトされ掲載されている。今年度に掲載された9編の研究論文のうち、下記の論文は、身体機能評価の中でも特に筋肉量低下に主眼を置くサルコペニアとは異なる上下肢の筋力低下(dynapenia)に注目し、dynapeniaを有することが血液透析患者の心血管イベント入院ならびに死亡と密接に関連することを示したものである。筋力は筋肉量に比べて一般臨床において評価が簡便であることから、dyameniaの把握は長期的な疾病管理の指標として有用であることが新たに示されている。
Associations between dynapenia, cardiovascular hospitalizations, and all-cause mortality among patients on haemodialysis. Journal of cachexia, sarcopenia and muscle 13(5) 2417-2425, 2022.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、血液透析患者に対する身体機能管理システムの効果を多施設で検証する計画を立て現在実行中だが、前項の「研究実績の概要」でも述べたように、2020年4月からの新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、外来患者のデータ採取が継続できている施設は3施設に留まっている。本研究のアウトカムが日常の身体活動量としているためコロナ禍の影響も大きく、本来の研究条件とは異なる条件下(過去起点コホート)で検証している。しかし、初期の研究計画の条件とは異なるものの、身体機能管理システムを構築するための評価指標の検証は実績を重ね、指標の有用性はほぼ確立されつつある。その成果として、過去起点コホートによる縦断研究(一部、横断研究を含む)の結果、昨年度は9編、今年度においても9編の原著論文がアクセプトされている。現在のところ、本科研費による支援によってアクセプトされた論文(すべて、英語論文、査読あり)は、発行待ちのものを含めると20編以上に至っている。これらの論文は、我々が本研究計画の段階から、身体機能評価の中でも特に筋肉量、筋力、ならびに筋機能(歩行速度なろの身体パフォーマンス)に主眼を置くことで、疾病管理のための重要な指標となることを一貫して明らかにしている。このため、やや遅れているというよりは、コロ中禍の影響を受けて研究の目的や方向性の変更を余儀なくされたが、血液透析患者の身体機能管理システムの有効性の検証という点からすると、十分な成果が得られていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究「血液透析患者に対する身体機能管理システムの開発と運用(多施設研究による検証)」は、今年度で最終年度を迎える。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、前向きコホート研究による長期効果の検証には至っていないが、過去起点コホート研究の実績から、身体機能管理システムに不可欠な評価指標と予後(死亡、心血管イベント)との関連が明確となっている。参加施設も3施設程度であるが300~500症例のコホート研究による検証であることからエビデンスの一部に加えることができると考えている。 現在、更に、2、3編の論文を投稿中であり、これまでの学会発表等の成果発表を含めて、本研究をまとめていく予定である。
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