研究課題/領域番号 |
19K11413
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
松崎 太郎 金沢大学, 保健学系, 助教 (10401910)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | ラット / 加齢 / 関節可動域制限 / 線維化 / 関節包 / トレッドミル / 高血糖 / 関節不動 / 滑膜 / 軟骨 / 関節拘縮 |
研究開始時の研究の概要 |
関節可動域制限(以下、関節拘縮)の病態として関節構成体の変化(関節包の線維化、関節軟骨の菲薄化、関節腔内の肉芽様組織侵入)が生じることが報告されている。 本研究では関節構成体のうちで主に関節包を観察対象とし、糖尿病モデルラットおよび加老ラットを用いて臓器の線維化が関節構成体に及ぼす影響を明らかにすること、および治療として関節可動域運動を行い、その効果を病理組織学的、免疫組織化学的に検討する事である。
|
研究成果の概要 |
糖尿病(高血糖)モデル、加齢モデルを作成し関節構成体を病理組織学的に検討した。血糖ラット群の血糖値は全て600mg/dl以上であった。α-SMAに陽性を示す細胞の数はSTZ投与群では4.0±2.1個であり、対照群では3.7±1.4個でありSTZ投与群と対照群において有意差は認められなかった。 加齢ラット膝蓋下脂肪体中の線維組織は平均85.5±2.6%、対照群では平均67.2±12.9%であり加齢群で有意に増加していた。後部関節包では筋線維芽細胞と考えられる細胞は対照群に対し加齢群では有意に少なく関節可動域は加齢群で有意に伸展制限が見られた。加齢群の関節包は関節包の肥厚、線維の密生化が観察された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
加齢による関節構成体の変化として、膝蓋下脂肪体では線維組織の増生、脂肪細胞の縮小が観察された。今回の結果は加齢により線維化が生じている膝蓋下脂肪体においても関節運動を行うことにより膝蓋下脂肪体線維化の抑制が可能であることを示唆する。後部関節包では加齢により生じた組織の肥厚が運動負荷により線維の占める割合が減少(コラーゲン線維の密生化抑制)することが示された。 加齢による変化は関節不動による拘縮モデルで観察された組織変化と同等のものと考えられ、今後は関節拘縮と加齢による変化がなぜ類似しているのかを様々な指標を用いて検索し「関節可動域制限」の新たな知見を得ることが重要となるであろう。
|