研究課題/領域番号 |
19K11430
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 名古屋女子大学 (2022-2023) 豊橋創造大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
石田 和人 名古屋女子大学, 医療科学部, 教授 (10303653)
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研究分担者 |
植木 孝俊 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (60317328)
松下 光次郎 岐阜大学, 工学部, 准教授 (30531793)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 抑うつ / 高脂肪食 / 時間制限給餌 / 脳卒中後うつ / 脳出血 / 抑うつモデル動物 / リハビリテーション |
研究開始時の研究の概要 |
「抑うつ」は、現代人の健康問題における大きな障壁であり、その方策を具体的に確立することは急務の課題である。昨今の研究から、運動は「抑うつ」に効果的であるとの報告が散見されるが、それぞれの病態に応じた有効な介入条件については、未だ示されていない。本研究では、まず障害度の異なる抑うつモデル動物を確立し、その行動および病態を解析する。さらにこのモデル動物を用いて、運動の効果についての検討を行う。その上で、本研究の最終段階として、ヒト(健常者および患者様)を対象に、抑うつに対する運動の効果と作用機序を解明したい。以上より本研究は、抑うつに苦しむ多くの人々を救い、広く社会の福祉に貢献できる。
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研究実績の概要 |
マウスに対し、高脂肪食を継続的に投与することで、抑うつ様行動を示すことに着目し、高脂肪食の餌を与えるタイミングを、1日の周期(暗期と明期)のうち、暗期のみに与えること(時間制限給餌)により、高脂肪食投与による抑うつ様行動の発現を抑える効果をもたらすことを確認した。具体的には、高脂肪食(High Fat Diet 32)の8週間連続投与により生ずる抑うつ様行動について、オープンフィールドテスト(マウスの行動量)、尾懸垂テスト(無気力の度合い)、高架式プラットフォームテスト(不安の程度)、スクロース消費テスト(快感消失性)の各評価から確認した。またその際、高脂肪食および通常用いられるマウス用飼料(CE-2)投与の両者各3匹より、糞便を採取し、16s rRNA遺伝子配列を解析して、腸内細菌叢の様態を検討したところ、高脂肪食投与群の方が、腸内細菌層の多様性が低い傾向が示された。 また一方、本研究プロジェクトにおいて、当初の計画であった、ヒトの抑うつに対する介入効果の検討には至らなかったが、リハビリテーションセンターとの共同研究を通じて、脳卒中患者を対象とした抑うつ状態の検討、特に、勤労者世代(20‐64歳時に初発)の脳卒中患者40名を対象とした検討を行うことができ、Zung Self-rating Depression Scale(SDS: 抑うつの自己確認式チェック表)およびApathy Scale(やる気スコア)を用いた調査を行ったところ、脳卒中後うつ状態(SDS≧40)または意欲低下(Apathy Scale≧16)にある患者が、対象者の約50%を占めることが分かった。 本年度をもって、この研究プロジェクトは一旦まとめに至るが、今後、継続的に研究を進めて、抑うつに対するリハビリテーションの方法論確立に向けた成果を提示したいと考える。
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