研究課題/領域番号 |
19K11466
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
樋口 貴広 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (30433171)
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研究分担者 |
福原 和伸 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 助教 (10589823)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 歩行 / 知覚 / 視覚運動制御 / バーチャルリアリティ / 障害物回避 / 予期的歩行調整 / 知覚運動制御 / 三次元動作解析 / 転倒予防 / 注意 / 高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
障害物回避のための歩行動作修正は,障害物に到達する2歩前(1歩行周期前)までに決定されると考えられている。しかし,動作修正のための脳の情報処理が本当に歩数に対応して実行されているのか,それとも障害物との距離に対応するのかは確認されていない。そこで本研究では,狭い隙間を通過する場面をバーチャルリアリティ(VR)で再現し,1歩当たりに進む距離を映像上で操作することで,障害物までの歩数と距離を分離する。これにより,動作修正の実行タイミングが本当に歩数に依存するのかを明らかにする。その上で本研究では,障害物に対する注意配分と状況予測が,適切なタイミングでの動作修正の成否を規定することを実証する。
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研究成果の概要 |
安全な障害物回避方略を理解するためのバーチャルリアリティシステムを開発した。開発期間が想定を超えたため,研究計画を変更し,後続脚の安全な制御に関する2つの実験を行った。第1実験では, VR環境下での段差またぎ動作の特性を検討した。その結果,後続脚のクリアランスや歩行速度は実環境と類似していることを確認した。第2実験では,段差をまたいだ直後の先導脚の着地位置を操作し,後続脚の衝突率への影響を検討した。その結果,段差から10cmの位置に着地させると,後続脚の衝突率が軽減することがわかった。先導脚はもともと衝突率が低いため,段差に近い位置に着地させることで後続脚の衝突率を軽減できる可能性を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
障害物との衝突は主として後続脚で起こる。よって後続脚の衝突率を軽減させる方法の検討は社会的にも有益である。本研究の結果から,もともと衝突率の低い先導脚について,衝突すれすれの位置に接地させることで,後続脚の衝突率が軽減する可能性が示唆された。この結果は,リハビリテーションなどでの衝突回避訓練にも応用可能な成果である。本成果は,VR環境下で実験を行うことによって,実験遂行中に衝突が起こっているかどうかをフィードバックすることがない状況下で実施したことにより,正確な結果が得られている。本研究で開発したVRシステムは,障害物回避のための歩行動作修正の方略を理解するために有益といえる。
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