研究課題/領域番号 |
19K11568
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 中村学園大学 |
研究代表者 |
中野 裕史 中村学園大学, 教育学部, 教授 (60301678)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 学習 / 記憶 / 空間学習 / 空間記憶 / 空間学習・記憶 / AMPK / PGC-1α |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,学習・記憶機能の個体差の形質が次世代に遺伝するかどうか確認するため,モリス水迷路課題を指標とした空間学習・記憶機能の高いラット(高学習系)と低いラット(低学習系)の系統を選択交配によって作製し,それらを用いて海馬におけるミトコンドリア生理活性に関与するAMPキナーゼ経路と空間学習・記憶機能が運動によってどのように変化するのか検証することを目的とする。 各年度において,空間学習・記憶機能を測定して選択交配を繰り返す。また,10世代毎に,運動による空間学習・記憶機能の変化とともに海馬におけるミトコンドリア生理活性にかかわる組織化学的・生化学的特性の変化を検討する。
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研究実績の概要 |
2022年度は,モリス水迷路課題を指標とした空間学習・記憶機能の亢進を呈するラット(高学習系)と低下を呈するラット(低学習系)の系統を選択交配によってそれぞれ15世代目まで作成した。 両系統ともに8~10週齢時に,ビデオトラッキングシステムを用いてモリス水迷路課題を1日当たり4試行,5日間実施した。各試行は4ヵ所のランドマークのいずれかよりスタートし,プラットフォーム上に静止した場合を成功試技とした。試行時間は最大60秒間とし,6日目にはプラットフォームを取り除いたプローブテストを60秒間実施し,プラットフォームエリアの滞在時間を測定した。選択交配は12週齢以降に行った。 1~5世代目,6~10世代目,11~15世代目の3群に分類し,高学習系と低学習系のプローブテストの結果を2要因分散分析を用いて比較した。統計量は平均値±標準偏差で示し,有意水準はp < 0.05とした。 オスにおいて,プラットフォームエリアの滞在時間は高学習系の1~5世代目,6~10世代目,11~15世代目でそれぞれ20.1±7.4秒,20.9±5.6秒,22.6±5.1秒であり,低学習系でそれぞれ16.8±5.5秒,17.3±5.0秒,17.2±5.4秒であった。系の主効果のみ有意であり(F(1,191) = 21.9,p < 0.001),高学習系が低学習系よりもプラットフォームエリアの滞在時間が長く,空間記憶機能が優れていた。 一方,メスにおいて,プラットフォームエリアの滞在時間は高学習系の1~5世代目,6~10世代目,11~15世代目でそれぞれ19.8±3.8秒,20.4±4.1秒,20.6±4.8秒であり,低学習系でそれぞれ21.7±5.7秒,17.7±4.6秒,17.4±5.7秒であった。メスの空間記憶機能においては,有意な相違は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
選択交配により不妊・出産数の減少など生殖機能の低下が見受けられ,運動介入や生化学的分析を実施する十分なサンプル数が確保できていない。
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今後の研究の推進方策 |
交配時の週齢を早めて,20世代目までの作成を目指すとともに,生化学的分析を実施する。
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