研究課題/領域番号 |
19K11636
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
柳町 幸 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (70372282)
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研究分担者 |
柳町 悟司 柴田学園大学短期大学部, その他部局等, 教授 (10535727)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 顕性乳糖不耐症 / 潜在性乳糖不耐症 / 13C乳糖 / 乳糖不耐症 / 呼気中水素濃度測定 / ラクターゼ製剤 / 安定同位体 |
研究開始時の研究の概要 |
「低栄養」は健康寿命短縮の原因として注目されている。栄養改善には良質なタンパク質の摂取が推奨される。「卵」や「牛乳」は完全栄養食品と言われているが、特に、カルシウムを豊富に含む「牛乳」は栄養改善のみならず、骨粗鬆症対策の観点からも飲用が勧められる食品である。 ところが、「乳糖不耐症」症例は牛乳飲用によって生じる腹部症状のため牛乳の飲用を避けることが多い。「乳糖不耐症」ではラクターゼ製剤の使用によって乳糖の消化吸収が改善し腹部症状が消失し、牛乳を飲用することが可能になる。 「乳糖不耐症」には「顕性」と「潜在性」が存在し、両者の相違点の有無について「13C乳糖」を用いた呼気検査で明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
13C乳糖を含有した乳糖負荷試験にて、加水分解されない13C乳糖は大腸に流入し、腸内細菌によって発酵反応を受け吸収されていることを示す結果が得られた。 食事評価の結果より、「乳糖不耐症」の症状が無いにも関わらず日常的に乳糖を含む食品の摂取を控えている場合、「潜在性乳糖不耐症」例である可能性を念頭に、乳糖負荷試験を用いた検査を施行し、要すれば、ラクターゼ製剤や乳糖分解製品などの利用を考慮する必要があると考えられた。 13C乳糖を用いた乳糖負荷試験では乳糖不耐症診断や乳糖の動態を評価することは難しいと考えられ、乳糖負荷試験中の症状の有無を用いた従来通りの評価が現段階では有用であると結論づけられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
13C乳糖を含有した乳糖負荷試験は、大腸に流入した未消化乳糖が、腸内細菌によって発酵反応を受けることで水素が生成されていることを明らかにする結果が得られ有意義であった。しかし、乳糖の消化吸収動態を明らかにはできなかった。 並行して施行した食事調査から、日常的に乳糖を含む食品摂取を控える症例は、「潜在性乳糖不耐症」である可能性を考慮する必要性が示唆された。十分なたんぱく質摂取が必要な低栄養リスク者では、乳糖負荷試験にて「潜在性乳糖不耐症」の有無評価を行うことで、ラクターゼ製剤や乳糖分解製品などの利用の要否を客観的に判定でき、栄養療法分野において意義のあることであると考えられた。
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