研究課題/領域番号 |
19K11693
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
永尾 晃治 佐賀大学, 農学部, 教授 (10336109)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 食環境 / HDL代謝 / 疾患遺伝子 / 肥満誘発性病態 / ステロール輸送機構 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では「肥満誘発性病態発症時のHDL代謝低下」を切り口にして、ステロール輸送調節機構の更なる解明と食環境による責任遺伝子の発現・機能制御を介したHDL-CHOL管理法の確立を目指し、現在確立されている危険因子(LDL-CHOL)の低減化という治療法に加えて、動脈硬化発症に対してより積極的かつ直接的な新規の対処法を提供する事を目的とする。
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研究成果の概要 |
HDL代謝を変動させうる食品成分をトリガーとして、主要なHDL産生臓器である肝臓内に発現する遺伝子を網羅的検索する事で疾患遺伝子を同定し、さらに疾患遺伝子の発現と食環境との相互作用について明らかにすることを試みた。植物葉やその抽出物はHDL代謝を変動させなかったが、キノコの抽出物に変動作用を見いだした。さらにω3脂肪酸と食物繊維の組み合わせや麹発酵により産生された抗炎症物質にもHDL代謝変動作用がin vivoで確認された。肝臓における疾患遺伝子候補として、HDL新生に重要なABCA1だけではなく、ステロールの肝外排泄に関与するABCG5・8の影響についても検証する重要性が見いだされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動脈硬化性疾患の危険因子として、HDL代謝の低下が重要視されているが、その機構と影響しうる薬剤や食環境に関する詳細は不明である。本研究では、様々な食事成分がHDL代謝に及ぼす影響を生体系で検討を行い、脂質代謝を変動させることが分かっているキノコの熱水抽出物やEtOH抽出物中に活性成分があること、海苔粉末および発酵物粉末中のω3脂肪酸・食物繊維・抗炎症物質にもステロールトランスポーター遺伝子発現調節作用があることが見いだされた。以上のことから、今後のHDL代謝調節機構解明と代謝を改善する機能性成分開発の糸口を示唆することが出来た。
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