研究課題/領域番号 |
19K11717
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高木 敦子 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 招へい研究員 (90179416)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | リポタンパク質リパーゼ / 動脈硬化 / 心疾患 / バイオマーカー / サンドイッチ-ELISA / リポ蛋白リパーゼ / 高トリグリセリド血症 / 高脂血症 |
研究開始時の研究の概要 |
リポ蛋白リパーゼ (lipoprotein lipase; LPL)は主として脂肪組織において合成・分泌される分子量6万の糖蛋白(LPL60)であり、トリグリセリド(TG)に富む大型リポ蛋白質のTGを分解し、脂肪酸を必要とする組織に供給する働きをしている。本酵素の低下は循環血中のTG値が上昇する高TG症の原因となるが、本酵素は細胞へのリポ蛋白取り込み促進作用も持っている。 動脈硬化初期病変である泡沫化マクロファージにおいて産生されるLPLをバイオマーカーとして利用することで、超早期動脈硬化診断に役立てるために、簡便にこのバイオマーカーを測定できる方法を開発する。
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研究成果の概要 |
リポタンパク質リパーゼ (LPL)が、N末40kDaLPL(N-LPL40)とC末LPL(C-LPL21)に切断されることを見い出した。心疾患者血漿で、C-LPL21に加え、新規のC末20kDaのLPL(C-LPL20)をウエスタン法で検出し、このC-LPL20が動脈硬化バイオマーカーになると考えた。 C-LPL20の特異的検出法、固相化LPL抗体-レクチン-サンドイッチ-ELISAを開発し、臨床検体血漿からLPL抗体でC-LPL20/21を部分精製後、C-LPL20を濃度依存的に測定できた。N-LPL40測定は、2種類のN末認識モノクローナル抗体でのサンドイッチ-ELISAにより可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
申請者は、LPL分子がタンパク質分解酵素によってN-末ドメイン (N-LPL40)とC-末ドメイン (C-LPL20/21)に分解され血漿中に存在することを初めて明らかにした。ウエスタン法により心疾患者において、特異的にC-LPL20が検出されることを明らかにし、簡便な検出系の開発(固相化LPL抗体とレクチンによるサンドイッチ-ELISA)に成功した。C-LPL20の定量は、動脈硬化の発症・進展・破綻の病態を把握できる鋭敏なバイオマーカーになる。動脈硬化巣の超早期診断法の開発は動脈硬化発症の予防を可能とし、医療費削減や国民の健康長寿等の社会的波及効果が期待される。
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